追加された新規のコマンドを使ってみる
v0.3プレビューで利用できるようになった新規のコマンドなどを試してみた。あくまでもプレビュー版での結果であり、正式版では異なる可能性があることをお断りしておく。
wingetのlistサブコマンドを使うと、wingetが認識可能な現在インストールされている「プログラム」を表示できる。
listサブコマンドでは、インストールされているプログラムの一覧が出力され、そのうちwingetパッケージからインストールされたものは、バージョンやソースが表示される。このリストの中には、wingetのパッケージになっているものもあるが、wingetが主に対象にするのは自身でインストールしたもののみ。upgradeサブコマンドもwingetがインストールしたパッケージのみを表示する
しかし、現状ここに表示されるプログラムは、wingetのパッケージになっているとは限らない。wingetが自身でインストールしたパッケージに関しては、listサブコマンドの出力にある「ソース」にwingetやmsstoreと表示が出る。しかし、パッケージが存在するものでも、wingetを使わないでインストールしたものに関しては、wingetの管理外のままになっている。これは、おそらくレジストリにあるアンインストール情報を利用しているのだと思われる。
upgradeサブコマンドも、wingetでインストールしたパッケージに関してのみ調査をする。オプションなしで「winget upgrade」とすると、アップグレードが可能なパッケージの一覧を表示できる。しかし、これは、wingetがパッケージとして認識したプログラムだけだ。たとえば、過去に手動でインストールしたアプリケーションよりも新しいバージョンのものがパッケージとして存在していても、upgradeサブコマンドはこれを認識しない。
installサブコマンドの事情はさらに複雑だ。というのは、ソフトウェアの開発元が提供しているmsiのインストーラーがそのまま起動することがあるからだ。こうなると、旧版をどうするのかは、もともと使われていたインストーラー次第ということになる。
wingetのuninstallは、Windowsのアンインストール情報を利用しているため、wingetでインストールしていないアプリケーションのアンインストールも可能だった。
installサブコマンドは、プログラムによってはネイティブのインストーラーを起動するだけだ。このため、旧版の扱いは、インストーラー次第。ただし、wingetのuninstallサブコマンドは、Windowsのアンインストール情報を使って動作するので、自分がインストールしていないプログラムもアンインストールできた
installサブコマンドと同じく、オリジナルのアンインストーラーが起動する。これはこれで便利だ。というのは、コマンドラインからのアプリケーションアンインストールは不可能ではないが、レジストリ情報を見てmsiexec.exeの引数を指定しなければならないなど、かなり面倒なものだからだ。wingetからは、単にプログラム名などを指定するだけでアンインストールが行える。
export/importコマンド
Exportコマンドは、wingetがパッケージからのインストールと認識したプログラムだけをjson形式で出力する。ただ、エラーメッセージを見ていると、listコマンドで表示されたインストール済みのアプリケーションについて、パッケージとの一致があるかどうかはチェックしているようだ。
インストールされたパッケージのリストを出力するexportコマンドでは、listコマンドに表示されるプログラムについて一応調査して、エラーメッセージを表示している。exportコマンドはjsonファイルを出力し、その中には、wingetでインストールしたパッケージのみが含まれていた
つまり、現時点のwingetのExportは、wingetからインストールしたパッケージのみをインストールプログラムとして出力するだけなので、当然、これをImportする側でも、これだけがインストールされることになる。自分で管理できるインストールパッケージのみの出力となるため、Import側で問題が起きることはなさそうだ。
wingetは、ようやくパッケージマネージャーとしての体裁が整ってきたところ。とはいえ、ちょっと前途多難という感じがしないでもない。現在のwingetは、Windows Insider Programで配布されているプレビュー版でしか動作しない(通常版Windows 10でもインストールは可能だが、動作しない)。プレビュー版Windows 10の評価時にソフトウェアをまとめてインストールするなんて場合には利用できそうだ。

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