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シチズン×Nature モノ・家電・電気がつながる「ベンリなIoT」の未来が見えた

2021年05月25日 09時00分更新

文● 山本 敦 編集●飯島恵里子/ASCII

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電力需給が逼迫している時間帯にはエアコンの温度を下げて節電をする文字通りスマートな、Natureの電力小売サービス「Natureスマート電気」の紹介動画

さらに進化するNature Remo。広がるRiiiverのIoTプラットフォーム

 今年の3月1日からNatureの電力小売サービス「Natureスマート電気」が始まった。同社がいま提供する料金プランは市場価格に電気代が連動する「スマートプラン」のほか、5⽉から新たに料⾦単価が変動することなく 電気を使った分だけ代⾦を⽀払う「フラットプラン」と、固定単価と市場連動を組み合わせた「ハイブリッド」も導⼊された。

 5月18日には、スマートプランとハイブリッドプランを契約するユーザーのために、電気料⾦が⾼い時間帯にはNature Remoが家庭のエアコンを⾃動制御して、設定温度を上下させながら節電・節約を図る機能の提供をスタートしている。

 塩出氏は今後に向けて、電力需給が逼迫している時間帯にはエアコンの温度を下げて節電を図るといった具合に、電力を供給とのバランスをみながらユーザーがスマートに消費できるデマンドレスポンスの仕組みを採り入れたいと語っている。

Natureの代表取締役社長である塩出晴海氏。塩出氏は2008年にスウェーデン王立工科大学でComputer Scienceの修士課程を修了、その後3ヵ月間洋上で生活。三井物産に入社し、途上国での電力事業投資・開発などを経験。ハーバード大在学中にNatureを創業。

 その先にはさらに、節電目標をクリアしたユーザーにインセンティブを付与したり、あるいはスマートプランを契約するユーザーのために、電気料金が高い時間帯にはNature Remoが家庭のエアコンを自動制御して、設定温度を上下させながら節電・節約を図る機能の開発にも取り組んでいるという。今後の展開がとても楽しみだ。

左から電力モニタリングシステム「Nature Remo E lite」、スマートリモコン「Nature Remo 3」「Nature Remo mini 2」

 Nature RemoとNature Remo Eが発売からシリーズ累計30万台の売り上げを突破して、今もなお勢いよく売れ続けている背景には、ユーザーから日々寄せられる多くのフィードバックに対してNatureのソフトウェア開発チームが真摯に耳を傾けながら、必要な機能を素速くソフトウェアアップデートなどにより提供してきた優秀なエンジニアたちによる強力な開発体制がある。

 Natureとのパートナーシップが始まってから、シチズンの開発チームもNature Remoのユーザーコミュニティの熱量の高さに触れ、多くのインスピレーションを得ていると大石氏が話している。「Natureが単独では応えきれないユーザーの期待に対して、当社がRiiiverのプラットフォームを通じて協力できることがあるはず」と大石氏は両社によるコラボレーションのさらなる拡大に期待を寄せる。塩出氏もまた「Riiiverプラットフォームの中でNature Remoがやるべきこと、シチズンと一緒にできることがまだ数多くある」として、さらなる進化に貪欲な姿勢をあらわにした。

 RiiiverのIoTプラットフォームには今も続々と新しいパートナーが集いつつある。今夏にはソニーのスマートウォッチ「wena 3」とRiiiverによるクロスプラットフォームも始動する。すべてのパートナーによるユニークなアイデアとデバイス、サービスがリンクしていくことで、多くのユーザーに満足してもらえるIoT体験を届けたいと大石氏と塩出氏は口を揃える。両社のパートナーシップを基点に広がる「便利なスマートホームがある暮らし」の未来にこれからも目が離せない。

 

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