北里大学のkikutaka_0325選手が優勝

大学生ゲーマーたちの熱い戦い! 「Japan University eSPORTS Championship:U-Champ」のPUBG部門をレポート

2021年04月27日 20時00分更新

文● BRZRK 編集●ASCII

4月24日に「Japan University eSPORTS Championship:U-Champ」のPUBG部門が開催された

 4月24日と25日の2日間、大学生によるeスポーツ大会「Japan University eSPORTS Championship:U-Champ」(以下、U-champ)が開催された。

 今大会では3つのタイトルが採用されており、24日には「PLAYERUNKNOWN‘S BATTLEGROUNDS」(以下、PUBG)を、25日は「eFootball ウイニングイレブン 2021」(モバイル版)と「ストリートファイターV チャンピオンエディション」で試合が行なわれ、それぞれのタイトルで腕に覚えのある強者が大学生ナンバーワンの座をかけて競い合うことになった。

 本記事では24日に開催されたPUBGの試合についてレポートする。

大会アンバサダーである百獣の王こと武井壮氏も登壇。「大学生のもう一つの新しい目標となるような、そして人生を輝かせるような大会になることを期待しています」とコメントした

 さて、ここでPUBGの試合レポートといきたいところだが、まずはどういったゲームかを説明しておこう。本作は1マッチ最大100人が参加可能で、マップ上に配置されている武器やアイテム、はたまた乗り物などを活用して敵を排除しながら最後まで生き残ることを目指すバトルロイヤルだ。

「PLAYERUNKNOWN‘S BATTLEGROUNDS」

 プレイヤーが行動可能なエリアは最初こそ広いのだが、少しずつ範囲が狭められてしまうため、ゲーム中盤からプレイヤーどうしの遭遇戦が勃発。マップ上の地形や周囲の音からの適切な状況判断などを求められるほか、チームの連携力も重要になってくる。

 試合形式は25名でのSOLOマッチを計5ラウンド戦い、合計取得ポイント数が最も高い選手が優勝となる。長生きはもちろん、敵を倒すことで得られるポイントも順位を大きく左右するためシビアな戦いとなるわけだ。

今大会での基本的なルール。自分以外全て敵なのだが、積極的にキルムーブをするか生存を目指すか選手は悩ましいところだろう

 前半戦ともいえる3ラウンド目を終えた段階で、北里大学のkikutaka_0325選手が暫定1位で、キル数が2位に対して倍近く稼いでいるのだが、北海道情報大学のSy4N選手が生存ポイントを稼ぎ合計スコアが1位と1点差と僅差の状態でラウンド4へと突入することに。

1位と2位で肉薄すぎて1ミスで逆転すらありえる状況。差をつけられている選手はラウンドポイントだけでなく着るポイントも狙わなければ厳しい

ラウンド4はSANHOKが舞台に
ギリギリの戦いが展開

 4試合目となるラウンド4のマップは東南アジア風の見た目をしたSNHOK。開始早々は交戦よりもアイテム収集に重点を置く傾向が強いのだが、スコアを考慮するとキルポイントと生存ポイントを稼ぐ必要がある選手の動きが活発に。

 ランキング位3位に着けていた早稲田大学のmatcha4000選手、かなり大胆に動いて足音を出してしまった結果、慶應義塾大学のSTR_emilk選手の待ち伏せ攻撃を食らい撃破。上位へ残ることが難しくなってしまった。

 SANHOKは高低差が激しく、高い位置を取ったプレイヤーが有利になりやすい。そのため、ハイグラウンドを陣取られてしまうと状況を覆すのが難しい。とくに傾斜がキツイ丘ではその様子が顕著なのだが、この地の利を上手に活用しているのがSTR_emilk選手。神奈川大学のHyper-Kamiokande選手や兵庫県立大学のDr_slump_kit_24選手、北海道科学大学のぺんたごん選手が坂で撃ち合いをしていたところ、最後に漁夫の利を得ていた。

 終始ハイグラウンドでの立ち回りを徹底していたSTGR_emilk選手はラウンド4の最後までその姿勢を崩さず、最後に残った学習院大学のHyogetsuin選手を頭上から強襲。相手からは見辛いが自分からは上半身が視認しやすいポジションでとどめを指し、ラウンド勝利者となった。

 ラウンド終了後に行なわれる勝利者インタビューで、STR_emilk選手は「あの山は登れるルートが多くあり、360度見ているのが結構大変なので待ち受けるという形にしました。早めに丘を下ると敵に挟み撃ちされてしまうので最後まで待ってからという戦い化にしました」と、戦い方について説明。やはりハイグラウンド強しといったところだろうか。

最終ラウンドはみんな大好きERANGEL
果たして誰が総合優勝になるのか?

 泣いても笑っても順位が確定してしまう最終ラウンド。マップはPUBGリリース時に唯一実装されていたマップのERANGELで、輸送機の航路はほぼ中央を横断するような形に。

 ゲーム序盤から積極的に動き回っているのがHyper-Kamiokande選手。広いマップということもあり、乗り物を活用しながら敵を倒していく。中でも印象的だったのが杏林大学の111213_選手に乗り物で追われていたシーンだ。

 何が起きたかというと、丘から飛び出す形で追撃を振り切ろうとしていたのだが、車両が横転しピンチに。しかし、追っ手の111213_選手も功を焦ったのか続いて横転。先に横転していたHyper-Kamiokande選手は先に車両から抜け出し、遅れて転がってきた111213選手を迎撃し難を逃れることに成功。ゲームの流れを完全に引き寄せたプレイだといえるだろう。

 ゲーム終盤、ROUND3までのランキングで1位と2位だったkikutaka_0325選手とSy4n選手が生存していた。乗り物を盾にこうy道しているSy4n選手は着るポイントを稼ぐというより、生存ポイントを重視した生き残り策を展開しているように見えていたのだが、連続でキルを重ねているHyper-Kamiokande選手の餌食に。

 最後はランキング1位だったkikutaka_0325選手と本ラウンドで目覚ましい活躍をしているHyper-Kamiokande選手との一騎打ちに。互いにスモークグレネードなどで射線をカットし、居場所を隠しながらの化かしあいという状況になるのだが、手持ちの弾薬の数が心もとないHyper-Kamiokande選手が視界を奪うフラッシュグレネードを投擲、身動きが取れなくなったkikutaka_0325選手へと一気に詰め寄り撃破。最終ラウンドはHyper-Kamiokande選手が6キルを取るというまさに独壇場となった。

 試合後の勝利者インタビューでHyper-Kamiokande選手は「エリア運がよかったけど、道中で弾薬を消費しすぎた結果手持ちが危うくなった」と終盤において弾薬の少なさの経緯を語った。

 すべての試合が終わり、これまでの試合を見守ってきたアンバサダーの武井壮氏は「ドライブバイからの射撃を狙っていくなどレベルが高く、自分も今後はがんばっていきたい」と大学生のプレイスキルに強く刺激を受けたと感想を述べていた。

 全ラウンドをとおしてのスコアの集計が終わり、遂に発表された最終結果は北里大学のkikutaka_0325選手が栄光の1位に。Sy4n選手とHyper-Kamiokande選手はあと1試合あれば逆転もあり得たかもしれない惜敗に。

 kikutaka_0325選手は優勝者インタビューでは「これまでタイトルとかには縁がなかったのでうれしい。自己採点だとミスもあったので80点でしょうか。今後も勉強とゲームを両立するよう頑張ります」と学生の本分も忘れずに取り組んでいくとの決意を表明。今後の活躍にも期待ができそうだ。

優勝したkikutaka_0325選手

準優勝のSy4N選手

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