本連載は、マイクロソフトの「Microsoft 365」に含まれるSaaS型デスクトップ&Webアプリケーション(以下、アプリ)「Microsoft 365 Apps(Office 365)」について、仕事の生産性を高める便利機能や新機能、チームコラボレーションを促進する使い方などのTipsを紹介する。今回はMicrosoft Outlook(以下、Outlook)の会議予約機能に注目した。
休憩を挟まないオンライン会議は過度なストレスに
Microsoftの研究部門であるMicrosoft Human Factors Labが、2021年3月8日から18日までの10日間、脳波を測定する機器で14名のオンライン会議参加者に対し、脳内電気的活動を調査したところ、オンライン会議間に15分程度の短い休憩を取ることが効果的だと証明した。調査結果を解説する[公式ブログ]によれば、14名の被験者は30分のオンライン会議に連続して4つ参加したところ、休憩を挟んだチームと休憩なしのチームでは蓄積ストレスに大きな違いが確認できたという。
参加者の所在地を問わずに実施できるオンライン会議の利便性は改めて述べるまでもないが、コロナ禍以前よりも労働時間が増加するという見逃せない[調査結果]もある。Microsoftが外部調査機関に依頼し、2021年1月12日から25日にかけて、31市場3万1092人の雇用者・自営業者に対して実施した調査によれば、54%が過労を感じており、39%が疲れに限界を感じているという。
医師でも研究者でもない筆者が軽々に述べるのは早計だが、黒死病の呼称で欧州などを混乱に陥れた第二次流行の期間は約500年。技術進歩を鑑みてもコロナ禍に対応した働き方は数十年は続くだろう。だからこそ、従業員の精神衛生状態を担当する人事部門責任者には、オンライン会議の運用ルールを見直してほしい。
Outlookの予定表にはオンライン会議など既定の会議時間や、会議を短縮するオプションが用意されている。前者は30分/1時間/1.5時間/2時間の4項目、後者は「なし」「早く終了」「遅れて終了」の3項目から選択可能だ。
筆者はオンライン発表会の都合で1時間に設定しているが、議事内容が整理されているのであれば、Microsoft社内でも推奨している30分単位が有用だろう。人間の集中力はそれほど長く続かないことは、コロナ禍でオンライン会議を体験してきた方ならご承知のとおり。個々の生産性を妨げないためにも短く有益にオンライン会議を実施することを心がけてほしい。ちなみにMicrosoftはMicrosoft Teamsにウェルビーイング(コンディション向上)から洞察を得る「Insights」を提供し、今年後半を目標にViva Insightsへガイド付き瞑想(めいそう)アプリの統合を目指している。
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