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まつもとあつしの「メディア維新を行く」 第69回

アニメの門DUO「IMART実行委員会共同代表・土居伸彰氏インタビュー」

マンガとアニメの知恵が合体する「IMART」という祭

2021年04月17日 18時00分更新

文● まつもとあつし 編集●ASCII

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第2回IMART開催への道

まつもと 私が代表しているNPOでも、「ANiCイノベーターアワード」を2日目に発表させていただきます。アニメのイノベーションを促進した個人の方をベースに審査して選考するというものです。イノベーションも、IMART全体を貫くテーマになっているのかなと思います。

 じつは私、1回目のニュースを見聞きして、関係者に「2回目には私がやっているNPOのANICでも何かやりたい」とお話ししました。そのときは「いや、でもまだ2回目があるかどうかちょっとわからない」と言われて。こういう異色のイベントを続けることの難しさをすごく感じました。しかし今回、2回目が実現しました。この経緯を教えていただければと思うのですが。

土居 1回目のイベントについては、「マンガアニメ3.0」というサイト内にIMARTの公式サイトがあるのでそこを見てもらえればどんなことをやったのかがわかると思います。また、一部のセッションのアーカイブはYouTubeでも公開されています。

 1回目では、著名な方や企業に参加していただいて、我々自身もちょっとビックリしたんです。いわば無名のイベントだったのですが、「こういうイベントを待っていた」という熱量を感じました。広報的に上手くできていなかった部分もあり、セッションによってはお客さんがあまり来なかった、ということもあったのですが、登壇者の方々が「絶対にこれからもやるべきだよ!」ということを、口を揃えて言ってくれたのですね。

 とはいえ、1回目は豊島区のイベントとして予算があったのですが、2回目の予算は? となったとき、1回目の中心メンバーで任意団体を立ち上げてなんとか開催にこぎ着けたという感じです。

まつもと 情熱先行ですごいですよね。クラウドファンディングも使った民間主導で開催を実現したと。

クラウドファンディングサービス「MOTION GALLERY」を用いた支援プロジェクトが立ち上げられた

土居 基本的には民間主導で。イベントの性質的に、やっぱり業界の方々にきっちりと参加してもらいたいというのがあって、基本的には企業協賛をベースに、ファンディングの部分を考えていました。オーディエンスとしては、業界関係者に加えてコアファンの方々にも参加していただきたいと考えていましたが、最終的にこのコロナ禍によってオンライン無観客開催という形になり、コアファンの方々には5000円のチケットを販売することとなりました。

 前回のIMART2019が、音楽フェスのように複数ステージ・同時並行でセッションを開催していたのですが、あまり評判が良くなかったんです(笑) ということで今回はリアルタイムでオンライン中継するとともに、見逃したもの、時間帯が被ってしまったセッションについては後からアーカイブで見られるという形になっています。実質的に全部見られるので、これは正直かなりお得じゃないかなと。

まつもと 「ただのユーザーなので理解できるかどうか不安です」というコメントもありました。

土居 それは大丈夫だと思いますよ。もちろん登壇者はそれぞれの分野の専門的な話をされていくので、そのあたりで「ちょっとわかりづらいな」とかもあるかもしれませんが、それはたぶんほかの参加者も同じだと思います。自分の専門じゃないところってなかなかわからなかったりするし。それこそ今回はアーカイブを設けるので、同じセッションを何回でも聞けますから。

まつもと そうですね。オンラインならではの、一時停止して調べてからまた再生するということもできますし。ハードルがかなり下がっているのではと思いますね。

土居 やはりこのイベントって、学ぼうと思えば学ぼうと思うほどものすごくリターンが大きいイベントだと思っています。ぜひ活用していただきたいと思います。

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