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多様な実証実験の実績、NTTドコモとの連携、統合データ基盤を強みに掲げる「ローカル5Gサービス」

NTT Com、ローカル5G環境構築のワンストップ支援サービスを提供開始

2021年04月01日 06時30分更新

文● 谷崎朋子 編集● 大塚/TECH.ASCII.jp

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 NTTコミュニケーションズ(以下、NTT Com)は2021年3月31日より、ローカル5G環境構築のためのワンストップ支援ソリューション「ローカル5Gサービス」を提供開始した。導入コンサルティングから、Sub-6帯/SA(スタンドアロン)方式対応のローカル5G機器の提供、環境の設計および構築、無線局免許の申請手続き、保守・運用までをフルサポート。製造業を中心に、2025年までに500セットの販売を目指す。

NTTコミュニケーションズ(NTT Com)が提供開始したローカル5Gサービスの概要

 ローカル5Gサービスの内容は、大きく「機器提供」と「マネージドサービス」に分けられる。

 機器提供では、基地局やUPF(ユーザーデータ処理装置)といった5G環境構築に必要なサードパーティ製の機器を月額課金型で提供する。これにより、ハードウェア周りの初期投資コストを抑え、スモールスタートできるメリットがある。また、ローカル5G網を管理し、通信を収容するクラウド型5Gコアネットワーク機器(5GC)は、NTT Comのクラウド上でマネージドサービスとして提供することで、ユーザー側の保守運用負担を大幅に軽減する。システム内容にもよるが、NTT Comでは初期費用は数千万円程度、月額費用は150万円程度を想定しているという。

 さらに、ローカル5G導入に向けてヒアリングやエリア調査、回線設計を含むコンサルティングを行い、最適なサービス計画を提案するほか、無線局免許の取得代行、基地局などの設置工事や無線従事者の擁立および専任届け提出の代行、モバイル網や固定網、クラウドなど、24時間365日のエンドツーエンド保守運用を提供する。

NTT Comのローカル5G構成例

NTT Comのローカル5Gの強み

 NTT Comが同サービスの特徴であり強みとして挙げるのは、「ローカル5G実証実験で培った技術のエンドツーエンドでの提供」「NTTドコモとの連携」「Smart Data Platform活用によるDX推進」の3点だ。

NTT Comのローカル5Gサービスのメリット

 1つめの実証実験については、DMG森精機との自律走行型ロボット(AVG)稼働実験や、ブリヂストンとの工場敷地内における大容量データ送受信/通信品質実験、ALSOKおよび京急電鉄との遠隔巡回/遠隔監視など警備業務の高度化に向けた実証実験など、幅広いパートナーとローカル5Gの可能性を模索してきた。

DMG森精機とのAVG(自律走行型ロボット)稼働実験

ブリヂストンとの工場敷地内における大容量データ送受信/通信品質実験、ALSOKおよび京急電鉄との遠隔巡回/遠隔監視など警備業務の高度化に向けた実証実験

 またNTT Comでは、ローカル5Gの特徴である「超高速大容量」「高信頼・低遅延」「多数同時接続」のメリットを最大限に引き出すための技術開発にも注力している。

 たとえば、同社ラグビーチーム「シャイニングアークス」の練習場があるアークス浦安パークにローカル5G設備を設置。同社田町オフィスの5Gエミュレーター設備までを接続し、QoSによる経路制御で高ビットレートかつ低遅延の映像ストリーム伝送が可能かを実験。さらには、その映像ストリームをリアルタイム解析し、付加価値情報を素早く映像に反映させるための技術などを開発している。実際の実験では、ラグビーボールを蹴った映像に対して、ボールの初速度や飛距離、角度などのデータを反映させて提供することに成功している。

 「固定網からクラウドまで、エンドツーエンドで最適化された5Gサービスを構築できるのはNTT Comの強みだ」(同社データプラットフォームサービス部 サービスクリエーション部門 第四グループ担当部長の安江律文氏)

Sub-6帯を使った映像伝送実験の構成、エッジコンピューティングによるリアルタイム映像解析

 2つめは、NTTドコモとの連携だ。マネージドサービス内のエリア調査や回線設計、基地局などの設置工事は、2021年夏にNTT Comを子会社化するNTTドコモとの連携で実現する。NTTドコモが持つ無線システム設計および構築の実績を活用し、顧客のニーズに合った最適な環境構築を支援するという。

 そして3つめは、Smart Data Platform活用によるDX推進だ。Smart Data Platform(SDPF)は、NTT Comが提供するデータ利活用サービス群だ。データの収集、蓄積、管理と分析、利活用までの機能群をベースに、統合管理やセキュリティなどを組み合わせた総合プラットフォームとなる。

 この中で、ローカル5Gを同社はデータ収集の重要な技術要素と位置づけており、DX推進につながると期待している。たとえば工場内にローカル5Gを展開し、収集したデータをこのSDPFで分析して、ロボット制御や搬送業務の自動化といったスマートファクトリー実現も可能だ。

Smart Data Platformのサービスメニュー概要

 同社データプラットフォームサービス部、サービスクリエーション部門、第四グループ担当部長の安江律文氏は「ローカル5Gの実稼働が本格化するのは、対応機器が出揃う2021年下期」と予測し、その動向を牽引するのは製造業だと期待を寄せる。

 同社は、昨年12月に港区芝浦の田町グランパークタワーにてSub-6帯の実用局免許を申請。顧客やパートナーと新規ビジネスの創造やユースケース創出に向けた共創環境として、提供準備を進めている。同施設が利用可能になるのは、2021年4月以降だ。

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