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ロードマップでわかる!当世プロセッサー事情 第608回

第3世代EPYCとThreadripper Proで猛攻をかけるAMD AMD CPUロードマップ

2021年03月29日 12時00分更新

文● 大原雄介(http://www.yusuke-ohara.com/) 編集●北村/ASCII

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CezanneコアベースのPro版
Ryzen Pro 5000 Mobile

 米国時間では第3世代EPYCの翌日の3月16日(日本時間ではどちらも3月16日だった)に、今度はRyzen Pro 5000 Mobileを発表した。こちらはCezanneコアベースのPro版という位置づけであり、スペックや性能とかは同じCezanneベースのRyzen 5000 Uシリーズとまったく同じである。

HシリーズやLucienneコアに関してはラインナップされず。ただHシリーズは、将来はワークステーション向けなどに追加される可能性はありそうだ

 違いとしては、AMD Proの搭載ということになるが、機能として違うのは先のEPYCでも出てきたセキュリティー機能の有無ということになる。要するにRyzen 5000シリーズやRyzen 5000 Uシリーズでは無効化されていたセキュリティー機能を有効化したという話であり、さまざまなセキュリティ機能がRyzen Pro 5000 Mobileでも利用可能になったという話である。

FIPS(Federal Information Processing Standards)は、NIST(アメリカ国立標準技術研究所)が発行している米国の標準規格で、暗号化に関してはFIPS 140という規格がある。最新のものが2019年5月に改訂されたFIPS 140-3で、これに準拠すべく現在テストが進行中とのこと

 当然性能比較はTiger Lake相手ということになるが、TDP 28WのTiger LakeベースのCore i5/i7に比べてTDP 15WのRyzen Pro 5000 Mobileが同等以上の性能を発揮する、としている。

こちらはおなじみCPU系ベンチマークであるが、これで終わらせないところがポイント

インテルがReal Workloadに沿ったベンチでないと意味がないと主張したことに対し、Office 365を利用するPCMark 10 Application Testの結果を示したもの。ほぼ同等以上の性能とする

Core i5 vs Ryzen 5。ただPCMark 10 Appsのスコアも入れてあり、こちらでも同等以上の性能であることを示唆している

 また省電力性も改善され、同じバッテリー容量でも確実に動作時間が伸びているとアピールした。最初の搭載製品はHPおよびLenovoから登場予定である。

これは3つとも容量53WHのバッテリーを利用した場合の数値とのこと

昨今は各社とも、同じグレードでAMDとインテル両方のモデルを用意するが、Probook AeroとProbook x360のこの世代はAMDのみの提供だそうだ

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