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ロードマップでわかる!当世プロセッサー事情 第608回

第3世代EPYCとThreadripper Proで猛攻をかけるAMD AMD CPUロードマップ

2021年03月29日 12時00分更新

文● 大原雄介(http://www.yusuke-ohara.com/) 編集●北村/ASCII

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第3世代EPYCのラインナップは19製品

 次にSKUについて。第3世代EPYCは次の19製品がラインナップされる。ただこのままだとややわかりにくいのでグループ別に並べたのがその下の画像だ。

第3世代EPYCのラインナップ。こちらはコア数順の並び

Balanced & Optimizedは消費電力あたりの性能を最大に高める構成で、つまり一番消費電力(=電力コスト)あたりの性能が高いので、TCO削減につながるという仕組み。なお一番下の「7343(16C-155W 1P)」は「7343(16C-155W)」の間違い

 スレッドあたりの性能を追求したCore Performanceが4製品、どれだけ多数のスレッドを同時に処理できるかにフォーカスしたCore Densityが5製品、その中間で性能と消費電力のバランスを取ったBalanced & Optimizedが10製品となっている。

 価格まで含めたラインナップは下表の通り。メインストリームであるBalanced & Optimized製品の価格の安さはやや特徴的であるが、インテルも2 Socket以下向けのXeon Goldを結構価格を下げてきており、このあたりは激しい戦いになるものと想像される。

スレッドあたりの性能を追求したCore Performanceのラインナップ
Model Number コア 数 スレッド 数 L3 Cache (MB) 動作周波数(GHz) TDP(W) 1K 価格
Base Max Boost Default cTDP Min cTDP Max
75F3 32 64 256 2.95 4.00 280 225 280 $4,860
74F3 24 48 3.20 240 240 $2,900
73F3 16 32 3.50 $3,521
72F3 8 16 3.70 4.10 180 165 200 $2,468
多数スレッドの同時処理に特化したCore Densityのラインナップ
Model Number コア 数 スレッド 数 L3 Cache (MB) 動作周波数(GHz) TDP(W) 1K 価格
Base Max Boost Default cTDP Min cTDP Max
7763 64 128 256 2.45 3.50 280 225 280 $7,890
7713 2.00 3.675 225 240 $7,060
7713P $5,010
7663 56 112 2.00 3.50 240 $6,366
7643 48 96 2.30 3.60 225 $4,995
性能と消費電力のバランスを取ったBalanced & Optimizedのラインナップ
Model Number コア 数 スレッド 数 L3 Cache (MB) 動作周波数(GHz) TDP(W) 1K 価格
Base Max Boost Default cTDP Min cTDP Max
7543 32 64 256 2.80 3.70 226 230 245 $3,761
7543P $2,730
7513 128 2.60 3.65 200 165 200 $2,840
7453 28 56 64 2.75 3.45 225 225 240 $1,570
7443 24 48 128 2.85 4.00 200 165 200 $2,010
7443P $1,337
7413 2.65 3.60 180 $1,825
7343 16 32 3.20 3.90 190 $1,565
7313 3.00 3.70 155 155 180 $1,083
7313P $913

 さて最後が性能。下の画像はEPYCだけでの性能比較であり、それぞれのコア数別に右端が第2世代EPYCという形になっている。また1つの基準として、16コアのXeon Silver 4216と28コアのXeon Gold 6258Rの性能も横方向の破線として示されている。

縦軸の性能値はSPECRate_2017_Int_Baseである

 もともとZen 3コアを利用したことでIPCが19%アップ、という話はRyzen 5000シリーズと同じであり、EPYCであっても同じコア数・動作周波数であればやはり2割弱の性能改善が期待できる。

 実際にいくつかの実例として、HPC WorkloadやCloud Workload、Enterprise Workloadなどを示し、第3世代EPYCはXeonはもとより第2世代EPYCと比べても大幅に性能が改善していることを示した。

HPC Workload。2 Socket構成でのSPECRate_2017_fp_Baseの数値。HPCというにはやや厳しい気も

Cloud Workload。2 Socket構成でのSPECRate_2017_Int_Baseの数値。敢えてSPECRate_2017を使いたかった事情は理解できる

Enterprise Workload。SPECjbb 2015のスコア

 もっとも使ってるのがSPECRate_2017とかSPECjbbというあたりでAVX512をまず使っていないベンチマークばかり、一方インテルは積極的にAVX512を使ったアプリケーションを全面に押し出してくるので、両者の主張を並べると話がまるで通じないのが困ったものなのだが、引き続きAMDとしては第3世代EPYCでも(Xeonと比して)高性能低価格路線を貫いていることは確認できたとは言える。

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