A.L.I.、3D都市データ民間活用に向けたドローン測量の実証実験
3D都市モデルの整備・オープンデータ化のプロジェクトに参画
A.L.I. Technologiesは3月26日、国土交通省が主導するプロジェクト「PLATEAU(プラトー)」に参画し、ドローン測量によって3D都市モデリングデータを民間活用するための実証実験を実施したと発表した。
PLATEAUとは、日本全国の3D都市モデルの整備・オープンデータ化を行なうプロジェクトで、3D都市モデルの整備とユースケースの開発、利用促進を図ることで、全体最適・市民参加型・機動的なまちづくりの実現を目指すもの。
同社は、3D都市モデルの構築対象約50都市のひとつである加賀市と協力。期間は3月1日~3月4日、石川県加賀市片山津温泉街で実証実験を実施した。
本実験では、3D都市モデルの利用の観点で、A.L.I.のUAV管制システム「C.O.S.M.O.S(コスモス)」に連携させ、航空法に則った自動空路可視化機能による3Dでの飛行ルートシミュレーションと、運航者トレーニングにより業務効率化・コストダウンにつながるか検証した。
さらに、3D都市モデルのメンテナンスの観点で、物流UAVによる配送ルート確認用の撮影写真から写真測量し、測量結果により3D都市モデルをアップデート可能か検証した。
今回の実験に際して、同社は国際基準規格であるCityGML形式のデータを使って飛行ルートのシミュレーションができるシミュレーターを新たに開発。加えて、C.O.S.M.O.SにCityGMLデータが取り込めるよう追加開発した。CityGMLは、一般的な地図データと異なり、建造物の高さ情報が含まれているため、ドローンの飛行ルート設定やシミュレーションには非常に有用性があるという。
今後シミュレーターで生成されたルートをC.O.S.M.O.Sに組み込めると、シミュレーションと同じルートを飛ぶことができるため、事前に現場確認に赴く工数の軽減、飛行ルート設定において反復作業の削減を図れ、総合的なコストダウンに繋がるという。ドローン物流と並行して行なう測量データは、CityGMLの精度までには至らないものの、地図データの更新の頻度向上には有効なレベルであると実証できたという。