オンライン販売に特化する海外のスマートフォンメーカーのひとつ、Oukitelから新しいブランド「FI50」が誕生しました。その最初のモデルである「B2021」はアウトドア向けスマートフォンらしく強固なボディーに身を包みながら、そのアウトドアでの利用を楽しくしてくれる端末です。
本体サイズは約78×158×18mm、重量は315g。タフ仕様のため厚みがあり、重さもかなりのもの。右側面には電源、音量上、音量下、そして指紋認証センサーがそれぞれ独立しています。手袋をしているときにはボタンが独立していたほうが押しやすいですし、電源ボタンと指紋認証センサーが共用だと、誤操作してしまうことがあるからこのような設計になっているのかもしれません。
背面にはカメラが4つ、1300万画素+200万画素(マクロ)+200万画素(深度測定)+QVGA(ライトセンサー)。最近のスマートフォンにはあまりない横に並ぶデザインです。カメラの下のLEDライトもかなり大型で、屋外でライトとしても十分使える明るさを提供します。そして背面下部側にはストラップをつけるための丈夫なホールも見えます。
本体左側面にはアプリ起動のための「F150ボタン」があります。このボタンは3つの機能を持ちます。
- シングルクリック:ツールボックス(後述)アプリを1つ割り当て起動
- ダブルクリック:B2021内蔵アプリを1つ割り当て起動
- ロングクリック:F150モード
ロングクリックするとF150モードとなり、ホーム画面を左にスワイプすると新しい画面が表示されます。その画面には方位磁針、音量計、歩数計、バッテリー残量の4つのアプリのウィジェットが並びます。いずれもアウトドアでは必須の機能で、ウィジェットなのでリアルタイムに情報が表示されるのが便利。コンパスアプリを起動しなくても、ホーム画面からすぐに東西南北の方向がわかるのです。F150モードとは、アウトドアに出たとき即座にこの4つの機能にアクセスできる画面を常時表示するというわけです。
F150の主なスペックはディスプレーが5.86型(1520x720ドット)でゴリラガラス5で覆われています。チップセットはHelio G25、メモリー4GB+ストレージ64GB(microSDスロット搭載)、通信方式は4G対応。バッテリーはかなり大きく8000mAhです。防水防塵性能はIP68とIP69K、加えてMIL-STD-810G5に対応します。F150のスマートフォンはAliexpressなどにオフィシャルストアを持っており、実売価格は1万円台前半。スペック相応の価格ですが、アウトドア関係の機能や本体デザインで差別化が計られています。
プリインストールアプリはAndroidスマートフォンとして一般的なものに加え、B2021オリジナルの「ツールボックス」が加わっています。このツールボックスがB2021の最大の特徴になっているのです。
ツールボックスを起動すると、10個のアプリがタイル状に並んで表示されます。それぞれ「懐中電灯」「方位磁針」「サウンドデシベル(音量計)」「分度器」「プラム(水準器)」「時計」「タイマー」「サウンドシュミレーション」「歩数計」「拡大鏡」です。
分度器と水準器はアウトドアだけではなく日常的にもDIYで部屋に棚を設置する、なんてときにも使えるでしょう。そちら方面の趣味のある人にもB2021は意外と便利そうです。
ほかのスマートフォンにない機能が音関係のアプリ。音量計はその場の音をデシベルで表示してくれます。またサウンドシミュレーションは、実際に登山時などに便利かもしれません。起動すると、画面には「警報」「犬」「エンジン」「SOS」の4つのアイコンが並び、それぞれの音を出せるのです。この中でも「犬」は、登山中に獰猛な動物に出会ってしまったときに有効かも。「エンジン」も人間が来ているということのアピールになりそうです。
アウトドア仕様のスマートフォンは中堅メーカーから多数のモデルが出ています。B2021もそれらの製品とハードウェア性能はあまり変わりません。しかしアウトドアだけではなく、日常的にも使いたくなるようなツールボックスアプリはほかのスマートフォンにはない機能です。サブスマートフォンとして持っておくと便利な1台かもしれませんね。
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