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NETGEAR製品レビュー

在宅勤務から中小規模オフィス、店舗、工場、倉庫など幅広くカバーできるビジネス向けOrbiの特徴

ビジネス向けWi-Fi 6メッシュで快適に!「Orbi Pro WiFi 6」実機レビュー

2021年03月01日 08時00分更新

文● 大塚昭彦/TECH.ASCII.jp

提供: ネットギア

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サテライト設置の効果は? 電波強度や通信速度を測ってみた

 最後に、筆者は在宅勤務中の自宅でパフォーマンステストを行ってみた。あくまでも簡易的なものだが、メッシュWi-Fiの意義を知るうえで参考になれば幸いだ。

 筆者宅は2LDKマンションで面積は50㎡ほどだが、それでも仕事部屋に設置したWi-Fiルーターから壁や扉をへだてた場所ではWi-Fiの電波が弱くなる(減衰する)。たとえば、これまではトイレや玄関まで行くと、Wi-Fiの電波強度を示すiPhoneのインジケーターが3本から2本に減っていた。

 そこでまず、サテライトの有無による自宅内での電波状況の違いをチェックしてみた。仕事部屋にある従来のWi-Fiルーターを外してOrbi Pro WiFi 6のルーターを配置し、壁と扉を隔てた隣の部屋にサテライトを設置する。そのうえで、MacBook AirとMac用アプリ「WiFi Explorer Lite」を使い、宅内数カ所を移動しながら5GHz帯で電波強度を計測した。

Mac Book AirとMac用アプリ「WiFi Explorer Lite」で5GHz帯の電波強度を計測

 まずはルーターのみをオンにして(サテライトをオフにして)宅内の電波強度を見てみた。ルーターを設置した仕事部屋内では85~95%を示すが、木製の引き戸を挟んだ隣のリビングでは一気に65~80%まで低下する。さらに壁や扉を隔てた玄関では、50~60%程度まで電波が弱くなってしまった。トイレ内ではおよそ50%の表示だ。

 こうした傾向は、筆者がふだん使用している家庭用のWi-Fiルーターで測定しても同じだった。わずか直線距離10メートルほどでも、間に壁や扉があるだけで大きな影響があることがわかる。

 次に、リビングの端に設置したサテライトをオンにして電波強度を調べる。すると、まずリビングでの電波強度が85~90%で安定したほか、玄関で80~85%、トイレ内は70~75%まで向上した。iPhoneのWi-Fiインジケーターも3本のままだ。

筆者宅の間取りと電波強度計測の結果。狭い家ながらも電波の届きにくい場所があり、サテライトがそれをカバーしてくれた

 もっとも、アクセスポイントの距離が近づけば電波強度が上がるのは当然の話ではある。実際の通信速度はどの程度改善されるのだろうか。これもルーターのみ/サテライトありの両環境でテストしてみよう。

 このテストではルーターに有線接続(1GbE:1ギガビットEthernet)したマシンと、Wi-Fi接続したiPhone 11 Pro Max(Wi-Fi 6対応)でスピードテストツールの「iperf3」を実行し、LAN内で両デバイス間の通信速度を測る。なお1GbEの有線接続部分があるため、そこでスループットの上限(最高速度)が抑えられてしまった。今回はサテライトの設置効果を見るためのテストなので、その点はご容赦いただきたい。

 まずルーターのみの場合、ルーターを設置している仕事部屋では平均650Mbps程度のスループットが出たが、玄関まで移動すると平均250Mbps程度まで低下した。玄関側はほかの家から飛んでくるWi-Fi電波の少ない環境なのだが、ここまで通信スピードが低下するのは驚きだ。

 一方で、サテライトを起動すると、玄関にいても仕事部屋と変わらないスループットが得られた。ルーターとサテライト間の無線バックホールは最大2.4Gbpsと大きく、この程度のトラフィックではボトルネックは生じないだろう。

 狭い筆者宅内で、しかもクライアント1台だけでも明白な違いが出るのだから、さらに広いオフィスや住宅で、しかも多台数のクライアントが同時接続する環境であれば、サテライト設置の効果ははっきりと実感できるはずだ。

ルーターのみ/サテライトありの場合の通信スピード比較。サテライトを立ち上げることで、ルーターのそばにいる場合と変わらない速度が得られた

ルーターから離れた玄関で、左:ルーターのみ、右:サテライトありで計測した結果。サテライトを介してもルーターのそばにいるのと変わらない通信速度が得られた

 なお、今回のテストでは、わずかな障害物(たとえば薄い扉、積み上げた本の山など)があるだけで電波強度が大きく変わることもわかった。ルーターやサテライトは、付属のマウントキットも活用してなるべく見通しのよい場所に設置すべきだ。ルーター~サテライト間は有線LAN接続もできるので、無線接続ではどうしてもパフォーマンスが出にくい環境の場合には有線接続を試してみるのもよいだろう。

* * *

 以上、今回はビジネス向けのOrbi Pro WiFi 6の特徴を紹介してきた。オフィスや店舗などの現場に適した機能やパフォーマンスを実現しつつ、Orbiシリーズならではの使いやすさがそのまま備わっている。また、Insightに対応している点は、チェーン店舗などで多数のOrbi Pro WiFi 6を一括配置/リモート管理するうえで大きなメリットなるはずだ。IT管理者自身のリモートワークを実現するうえでも注目すべき機能だろう。

 在宅勤務でも、Orbi Pro WiFi 6の安定性は魅力的だろう。筆者はこれまで中級クラスの家庭用Wi-Fiルーターを使ってきたが、自宅周辺の電波環境が良くない(周囲のマンション含め20ほどのWi-Fi SSIDが見える)せいか、Web会議の最中に接続がダウンした経験があり、それ以来PCは有線接続していた。だが、1週間ほど試用したOrbi Pro WiFi 6では、Wi-Fi接続でもそうした心配はなかった。価格は高いが、2階建、3階建の一軒家全体をしっかりとカバーし、なおかつ快適な在宅勤務ネットワークを手に入れられると考えれば十分検討に値するのではないだろうか。

(提供:ネットギア)

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