このページの本文へ

仕事に差がつく!阿久津良和「Microsoft 365のスゴ技」 第17回

従業員の知識・経験などを共有し、支援する「Microsoft Viva」が発表

2021年02月19日 10時00分更新

文● 阿久津良和(Cactus) 編集●MOVIEW 清水

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

 本連載は、マイクロソフトのソリューション「Microsoft 365」に含まれるSaaS型デスクトップ&Webアプリケーション(以下、アプリ)「Office 365」について、仕事の生産性を高める便利機能や新機能、チームコラボレーションを促進する使い方などのTipsを紹介する。

 Office 365を使いこなして仕事を早く終わらせたい皆様にお届けする本連載。今回はMicrosoft Vivaに注目する。

4つの機能から成り立つMicrosoft Viva

 Microsoftは米国時間2021年2月4日、企業の従業員体験を向上させる「Microsoft Viva」を発表した。パーソナライズしたフィードをMicrosoft Teamsなどに表示することで、従業員のコミュニケーション促進をうながす「Viva Connections」、従業員の働き方から得たデータから洞察を得る「Viva Insights」AIを用いてアプリの専門知識を管理、保護する「Viva Topics」、組織全体で共有するコンテンツライブラリ「Viva Learning」の4機能から成り立つ。Microsoft CEOのSatya Nadella氏は、Microsoft Vivaを提供する理由として、「世界が(コロナ禍から)回復しても、(以前のような働き方に)後戻りはできない。 いつ、どこで、どのように働くかの柔軟性が鍵となる」と述べつつ、「Microsoft Vivaは従業員が初日から成功するために必要なすべてを統合し、Microsoft Teamsで直接体験できる。 Microsoft Vivaは仕事の流れに学習機会をもたらし、必要な訓練や学習の機会を明示する」と概要を説明した。

Microsoft Vivaを発表するMicrosoft CEOのSatya Nadella氏(画像は公式動画、公式ブログより抜粋)

 Microsoftは従業員同士の情報共有やコミュニケーション基盤として、SharePointやYammer、Microsoft Streamなどを用意しているが、Viva ConnectionsはこれらMicrosoft 365 Appsのコンテンツを1つのフィードにまとめ上げ、外部のニュースやコンテンツ投稿にも対応。ダッシュボードに映し出されるコンテンツは、Azure Active Directoryのグループに基づいて配信するコンテンツは、SharePointのコンテンツ、Yammer上のニュースと会話、OneDrive for BusinessおよびMicrosoft Streamのファイルを含み、すべてがMicrosoft Teamsからアクセスする仕組みだ。現時点では2021年前半にデスクトップ版Microsoft Teams、2021年夏にモバイル版Microsoft Teamsへの提供、2022年には機能拡張を予定している。

Viva Connections

 Viva InsightsはMyAnalytics、もしくはWorkplace Analyticsの上位版と認識すると分かりやすい。Microsoft Teamsのアプリとして動作するViva Insightsにアクセスすると、従業員は自身のデータを映し出し、マネージャーの画面にはチームや組織のデータが表示される。なお、マネージャー/リーダー向けのMyAnalytics機能はIgnite 2020で発表済みだった。Exchange Onlineライセンスを所有する組織は、本日からViva Insightsアプリのパブリックプレビューにアクセスできる。

Viva Insights

 コロナ禍の社会人に求められるのは個人能力の向上と言われているが、Viva Learningが従業員の能力向上に寄与するアプリだ。Microsoftは[公式ブログ]で、「すべての人が仕事に関する能力を開発し、組織全体の人々が学び、成長するため、コミュニケーションや知識、学習、リソース、洞察をViva Insightsに集めて人々が職場での成功を支援する」と説明する。Viva Learningは現在プライベートプレビューを公開しており、2021年後半に一般公開する予定だ。

Viva Learning

 Viva Topicsの特長を一言で述べれば「知識の共有」である。2019年に開始したProject Cortexプレビュープログラムを根幹とし、Microsoft Graphベースのコンテンツコネクターを用いて社内はもちろん、Salesforce、ServiceNow、MediaWikiなど130を超えるデータソースから情報を統合する仕組みを持つ。AIが特定して提案する記事を管理者は取捨選択し、トピックページを通じて従業員が役立つ情報を掲載していく。

Viva Topics

 Microsoft Vivaを俯瞰すると、新しいアプリやサービスを開発したというよりも、点在していたサービスをつなぎ合わせ、新しいブランドとして再構築したように見える。関心をお持ちの読者は概要をまとめた[PDF]を参照することをお薦めしたい。

■関連サイト

カテゴリートップへ

この連載の記事
ピックアップ