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格安データ通信SIMを買って格安に使い倒す! 第164回

政府主導の携帯料金値下げが出る前に、一般のユーザーがやっておきたいことを考えた

2020年11月01日 12時00分更新

文● 正田拓也 編集● ASCII

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 菅首相が目玉政策の1つとして掲げる携帯電話料金の引き下げに関連した動きとして、総務省が「アクション・プラン」を公開し、さらに10月28日には月20GBで税抜月4000円前後の新プランがUQ mobileとY!mobileから発表された。特にUQ mobileのプランは、KDDIのニュースリリースにも政府の要請を踏まえたものと明記されており、いよいよケータイの値下げが動き出したと見ることもできる。

 この後も新プランなどが続々と発表されるかもしれない今、その前にユーザーがやっておきたいことを今回確認する。同時になぜ現状を「高い」と感じるのかも含めて分析し、携帯電話の料金を正しく理解できるようにもしておきたい。

Y!mobileから、月20GBで通話定額もついて4500円のプランが発表された

ユーザーが安いところに乗り換えることが一番の「値下げ」!?

 政府主導による携帯電話料金の値下げはこれまでも行なわれてきた。2019年に各キャリアが実施した料金改定の前に当時の菅官房長官は「4割値下げ」を掲げ、分離プランが導入された。しかし、条件によっては最大4割下がったこともあったかもしれないが、同時に端末販売と契約の分離と値引き制限によってスマートフォン購入費が大きくのしかかり、負担が減ったと実感が得られていない人が多い。

昨年ドコモが発表した「ギガホ」「ギガライト」で最大4割値下げと4000億円のユーザー還元をしたとするが、ユーザーは実際にはその実感を得られていないのも確かだろう

 さらにその前の2016年頃には「月5000円以下」という目標が打ち出されたこともあった。5000円以下となったのは月1GBという当時でも少ない通信量のプランや家族での利用が前提など、状況が限られるもので、恩恵を受けた人がどれだけいたのかわからない状況だった。

 それでも期待を持った人がいたことも確か。だからこそ今回、政府としても声高に値下げを強調するのだと思われる。

 しかし、実際の支払額が減ることがなければ意味はない。値下げを見せかけるためのプランが登場し、多くの人の実情と合わない結果、負担軽減にならないということも起こりかねない。

 今回は今までとは多少意気込みが違い「アクション・プラン」を発表するなど、より具体的だが、アクション・プランでは値下げの方法までは踏み込んでおらず、問題視した部分としては、従来プランを特に意識して使い続けるユーザーは、2年契約による縛りが続いてしまう状況を指摘したにとどまっている。

 そのために、やはりユーザーが値下げを実感するには、自らの料金についてしっかり把握し、自分に適した新プランを選ぶなどのアクションが必要になる可能性は高いと思われる。

 また、今回のアクション・プランではMNP手数料の原則無料化も強調しており、プラン変更だけでなくキャリアの乗り換えでも「値下げ」とされる可能性も出てきた。先日発表された月20GBで月4000円前後のプランも、このプランに適したユーザーがMNOから乗り換えることで「値下げ」という解釈がなされてしまうかもしれない。

今までの“値下げ”を実感できない理由は確認しておくべき

 まず、今までの施策で「値下げ」を実感できずに、いまだに携帯料金が高いと感じてしまう理由を整理しておきたい。2019年に相次いで登場したドコモの「ギガホ」「ギガライト」、auの「データMAX」「auピタットプラン」、ソフトバンクの「ウルトラギガモンスター+」「ミニモンスター」(現在は近い内容で「メリハリプラン」「ミニフィットプラン」)では、スマートフォンを購入した際に24ヵ月にわたる料金への割引が発生しなくなった代わりに、料金自体は値下げになっているケースが多いはず。しかし、一方で端末の分割代金が料金に加わって、最終的な支払額が大きく変わっておらず、値下げを実感できない例がある。

 また、筆者の身近な人で実際に起こったことなどから、考えられる主なものは以下のような原因がある。

●旧プランのまま使っていて新プランの恩恵を受けていない
●スマートフォンの分割払いの代金を含めて携帯料金と思っている
●使っていないオプションやサービスを契約し、無駄な料金を払い続けている
●動画配信などの利用でデータ量が増えているのに、料金プランを最適化していない

 なかでも大きいのは料金プランだ。いくら新しいプランが登場しても、ユーザーがプランを変更をしなければ従来どおりのまま請求される。

 特に端末購入で料金の割引(月々サポート、毎月割など)が発生する時代の旧プランを契約していて、24ヵ月を過ぎて割引が無くなってもプランを変更していない人はまだいるだろう。これらの旧プランは端末購入時に料金の割引が発生するため、現在より割高な料金設定がなされている。

約2年前は端末を購入すると、24ヵ月にわたり料金の割引があった。分離プランへの移行後、こうした割引はなくなったが、その分の料金の値下げがなされている。つまり、割引の適用が終了し、旧プランを使い続けていると割高な料金を払い続けていることになると言える

機器代金の分割払い代金は、別に考えないといけない

 スマートフォンの分割払いにも注意だ。新規加入を条件に端末を実質0円や一括0円で購入できた時代では、スマートフォン購入代金は月々の割引と相殺されるか、月々の料金がさらに安くなっているケースすらあった。それが、分離プランの導入後は多少の割引はあっても、端末の代金はそのまま支払わなければならない。

 そのため、料金値下げの恩恵を受けているにもかかわらず、同時に請求される端末の分割払いのせいで支払総額が高くなっていることもある。

 しかも、端末自体も高額化している。48回払いでも月々の負担は大きく、10万円の端末だと月2083円。この金額の上乗せは小さくない。

余計な支払い項目がないか今すぐ確認を

 次にオプション。料金プランは機種変更時に半ば強制的に新プランに変更させられるケースが多いが、オプションはそうもいかない。無料期間や特典目当てに加入した配信サービスや、特典が多いと言われて加入したオプションは、毎月の請求額に確実に上乗せされる。

 数年前に見られた、回線付きのデジタルフォトフレームや子供用ケータイを大幅割引の条件として契約してそのままになっているケースもある。これらは料金プランでもオプションでもなく別回線であるため、メインの回線の機種変更でプラン変更をしても、そのままというケースもありえる。

 こうしたオプションなどはユーザーが何もしなければ支払いが続く。まずは料金明細を見て、何にいくら支払っているかを把握しておくことは必ず必要だ。

自分の通信量に最適化した料金プランを

 スマートフォンのデータ通信量は年々増えている。新型コロナウイルスの影響で外出を避けたため、家の固定回線を使っていて激減している人もいるが、逆に動画の視聴時間は増えて、通信量が増えている人も多いはずだ。

 その影響で料金プランを上げたり追加チャージをしたりして、支払額が上がっている人もいる。また、データ使用量に応じて料金が自動的に上がる料金プラン「ギガライト」「ピタットプラン」「ミニフィットプラン」などを選んだ人は動画の視聴を多くしていれば、上限まですぐ使ってしまうし、速度制限が嫌で追加チャージをするとこれも割高だ。

 料金プランを変更、最適化することで通信量のぶん、上がっていた料金を抑えることができ、同等の金額でももっとデータが使えることもある。また、今後も新しい料金プランの登場が予想されるので、そうしたニュースを見聞きした場合には、面倒がらずに自分の使用状況に照らし合わせ、プラン変更などの最適化することを強くおすすめしたい。

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