ソフトバンクとKDDIは28日、それぞれが提供するY!mobileとUQ mobileにおいて、月20GBの通信量をベースとした新料金プランを発表した。政府が求める料金値下げ、および総務省が発表した通信サービスの内外価格差調査に対応した動きだと考えられる。
ワイモバは月20GBと通話定額が同料金でずっと使える
MNP転出手数料も来春無料化&ネットでも可能に
まずY!mobile。今年12月下旬に新プラン「シンプル20」の開始を予定している。月額料金は4480円(以下、すべて税抜)で、月20GBの通信量と1回10分までの国内通話定額が付く。通信量の超過後は最大1Mbpsで利用可能。なお、従来のY!mobileのプランで用意されている「データ増量オプション」、新規契約時や家族契約時、固定回線セット時などの割引は無し。ずっと料金が変わらないというシンプルさが特長となっている。
また、ソフトバンク/Y!mobileの両ブランドともに昨年10月からすでに長期契約や解除料などが無くなっているが、さらに来春をめどに、MNP転出手数料を完全撤廃するとともに、これまでなぜか電話でしか受け付けていなかったMNP予約番号の取得をネット経由で24時間対応するという方針も明らかにしている。
UQ mobileは従来プランに20GBを追加で月3980円
家族割引もありで、通話定額がオプションなのも変わらない
続いてはUQ mobile。こちらは既存の「スマホプランS/R」に月3980円で月20GBの「スマホプランV」が加わる形になる(提供開始は来年2月以降を予定)。通信量は20GBで、超過後は最大1Mbpsで利用可能。通話定額はオプションで追加する形になる(月500円で最大60分、月700円で1回10分まで、月1700円でかけ放題)。家族で契約した場合に2回線目以降が月500円割引になる「UQ家族割」もそのまま用意される。
総務省が発表した内外価格差のデータに対応したプラン
両社とも“サブブランド”ではないとアピール
両社が月20GBのプランを提供した背景には、政府からの料金値下げ要請に加え、「電気通信サービスに係る内外価格差調査」という調査結果を総務省が発表していることに対応したことが考えられる。実際にKDDIのリリースにも、「本プランは、お客さまニーズ、市場環境、政府の要請を踏まえ、国際的に比較しても遜色のない料金水準で、より多くのお客さまにお手頃にご利用いただける料金プランとなっています」という記載が見られる。
その調査結果では、月2GB/月5GB/月20GBの3パターンで、MNOの料金プランを東京・ニューヨーク・ロンドン・パリ・ディッセルドルフ・ソウルで比較。東京での料金の高さが強調されていた。
また、MNOに対する“サブブランド”という呼び方が一般になされることが多かったY!mobile、UQ mobileだが、両社は「“ソフトバンク”“ワイモバイル”のダブルブランド戦略」(ソフトバンク)、「お客さまのご利用用途に合わせた料金プラン、サービスをマルチブランドで提案していきます」(KDDI)といった表現で、ソフトバンクやKDDIが展開する並列的な1つのブランドである点をアピールしている。