miniも登場! iPhone 12、ASCII徹底大特集 第23回
iPhone 12でニッポンの5Gは夜明けを迎える! 速度&カメラもチェック(石川 温)
2020年10月20日 22時00分更新
羽田空港第3ターミナル、700Mbpsを余裕で超えた
さらに別の日に向かったのは羽田空港第3ターミナル(旧国際線ターミナル)だ。ここはNTTドコモが5Gエリアにしている。人気(ひとけ)がほとんどない出発カウンター前で計測したところ、700Mbpsを余裕で超える数値を叩き出した。新宿駅は人が多かったが、羽田空港はほぼ無人ということで、5Gはもちろん4Gスマホを使う人も少なく高速通信が実現したのかもしれない。
iPhone 12とiPhone 12 Proでは通信設定において「5Gオン」「5Gオート」「4G」と3つ、モードを自分で選ぶことができる。「5Gオン」はバッテリー駆動駆動時間が短くなる可能性がある場合でも、5Gに繋がる場所では常に5Gにつながるというモードだ。
「5Gオート」はバッテリー駆動時間が大幅に短くならない場合にのみ5Gにつなぎにいく。つまり、5Gの電波状況が安定しない時に無理してバッテリーを消費することなく、あえて4Gにつないでバッテリー寿命を無闇に減らさないという設定が選べるのだ。
また、今回のiPhone 12シリーズでは、ユーザーの契約情報を端末側が把握して、通信をコントロールするという制御が搭載されている。例えば、5G契約で使い放題プランであれば、動画やビデオ通話の画質を上げるという処理をするのだという。KDDIでは使い放題プランを提供していることもあり、こうした処理を自動で行うようになっている。
ちなみに楽天モバイルの「Rakuten UN-LIMIT V」契約のeSIMを入れてみたところ、5G関連のメニューは一切、表示されなくなってしまった。やはり、NTTドコモ、KDDI、ソフトバンクなどアップルと5Gを共同開発していないと5Gには対応しないのかもしれない。
低空飛行が続く日本の5Gが盛り上がることを期待
iPhone 12が5Gに対応したことで期待したいのがキャリアの5Gネットワーク競争だ。かつて、ソフトバンクに続き、KDDI、そしてNTTドコモがiPhoneを取り扱い始めた際には4G LTEのネットワークの競争が熾烈になった。エリアの広さ、スピードなどをこぞってメディアが比較して、一気にLTEのエリア競争が起こり、どこでも使えるようになったのだった。
現状5Gのネットワークは、どのキャリアもお世辞にもいいとは言い難い。今回、アップルはキャリアと共同して5G対応のiPhoneを開発。実行速度とバッテリーの持ちを両立するよう、かなりの開発期間をかけたと言う。部材などもカスタムされたものとなっており、結果として幅広い5G周波数帯にも対応できたようだ。将来的には世界にローミングしに行っても、現地の5Gを掴めるようになるはずだ(技術的には今でも可能だが、キャリア同士のローミング契約が必要となる)。
iPhone 12が登場することにより競争が激化し、低空飛行が続く日本の5Gが盛り上がることを期待したい。
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