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松村太郎の「アップル時評」ニュース解説・戦略分析 第117回

通信速度、充電速度、そしてシャッター速度:

アップル新型iPhoneに期待する3つの「速さ」

2020年10月13日 09時00分更新

文● 松村太郎 編集● ASCII

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●ハイスピードといえばまずは「5G」

 まずタイトルの「Hi, speed.」。英語では高いを意味する「High」と同じ発音となり、ハイスピードという言葉にかかっていると考える事ができます。

 ちなみに日本語の招待状では「速報です。」というタイトルになっており、英語的な雰囲気は失われています。「こんにちは、スピード」と開いてしまうと、ちょっと直接的すぎるわけで。

 じゃあ、スピードとは何か? という話です。

 まず今年期待されており、さすがにもうやらなければならないのは「5G対応」です。

 これまで4G LTEでは「1Gbps級」まで高速化が進んできました。たとえばNTTドコモでは、iPhoneの最大通信速度を、受信で最大1388Mbpsとしています。総務省のガイドラインに基づいて実地で計測された実効速度はずっと下がり、300Mbps程度としています。

 ただ、それでもアップルの本拠地である米国の通信速度をはるかに凌駕するのが現状です。シリコンバレーでも固定系の通信網はお粗末で、iPhone 5が登場した2013年、T-Mobile回線の4G LTEで下り75Mbpsを記録した時は感動しました。固定のCATVで10Mbps出たら良い方だったので……。

 日本ではドコモとauがミリ波対応端末での最大4.1Gbpsの速度を謳っていますが、米国では最高速度が1Gbpsに届くことや、低遅延、同時接続数の増加の方が期待されているかもしれません。

 少し話がそれましたが、iPhoneの通信速度向上と遅延低減は、ストリーミングやAR、ゲームなどの快適性など、既存のアプリにもメリットがあります。あるいは端末のストレージを活かして、まとめてダウンロードしてコンテンツを楽しむような、少し異なる通信のやり方も試されるかもしれません。

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