フルサイズ裏面照射2420万画素センサーに手振れ補正も内蔵で509グラムを実現
ソニーが世界最小・最軽量のフルサイズカメラ「α7C」発表 = 実機写真レポート
2020年09月15日 10時10分更新
ソニーは9月15日、フルサイズミラーレスカメラ「α7シリーズ」のコンパクトモデル「α7C」を発表した。
α7Ⅲとほぼ同じ性能を持ちながら、α6600シリーズと同等の、軽量コンパクトボディが特徴で、約23万円(税込)で10月23日に発売となる。
α6000系ボディに
フルサイズセンサーと
手振れ補正まで投入で
世界最小・最軽量
α7CのCはCompactのCで、もちろん最大の特徴は、APS-Cサイズの撮像素子を搭載しているα6000系のボディに、α7シリーズと同様のフルサイズセンサーを搭載したことだ。
ボディサイズは124×71.1×59.7ミリで、バッテリーとメモリーカード込みの利用時重量は509グラムである。従来のα7Ⅲは126.9×95.6×73.7ミリ、650グラムなので、体積で81%、重量で78%にダイエットしたことになる。
APS-Cセンサー搭載のα6600は120×66.9×59.0ミリで503グラムだから、α7Cは体積で110%、質量では101%と、ほぼ同じレベルになっている。
SIGMA fpがあるので、無条件ではないが、「光学式ボディ内手ブレ補正を搭載した35mmフルサイズセンサー搭載レンズ交換式カメラとして」世界最小、最軽量である。
また、同時発表となったフルサイズ対応の小型ズームレンズ「EF28-60mm F4-5.6」も注目で、沈胴式で持ち運び時は長さ45ミリ、重量は167グラムしかなく、ボディ+標準ズームでは、α7Ⅲに比べて、体積で67%、重量で71%とさらなるダイエットを実現している。
ちなみにαとしては初めて、ボディが2色用意されており、全体が黒のブラックと、ボディ上部が銀色のシルバーがある。
いかにして
小型軽量化が
実現したのか?
α6000系のボディがあったとはいえ、フルサイズセンサーを搭載するため、設計は一から見直されており、このサイズに収めるため、ボディ内5軸手振れ補正ユニットと、シャッターユニットを新規開発したうえ、ボディはモノコック構造で新たに設計しなおされている。フロントカバー、トップカバー、リアカバーの3部品のマグネシウム合金部品で強度を確保しつつ小型・軽量化を実現しているのだ。
にもかかわらず、性能はほぼα7Ⅲと同等なのである。
イメージセンサーは2420万画素の裏面照射型フルサイズセンサーで、ダイナミックレンジは15段、高感度性能は通常でISO51200、拡張で204800を実現している。
ボディ内手振れ補正は5軸で5.0段。像面位相差AFは693点で画面の93%カバー。リアルタイム瞳AFは静止画では人物と動物を認識し、リアルタイムトラッキングができる。
連写はAF/AE追従で最高毎秒10コマ、223枚のバッファ性能を持つ。
動画は4K、HLGとα7Ⅲと同様の能力を持ち、動画時のリアルタイム瞳AFとリアルタイムトラッキングはα7Ⅲにはない機能を実現、AF-ONボタンを新規に搭載し、いつでもリアルタイムトラッキングを動作させることができるようになっている。肌色や花の色など画質も7Ⅲより向上している。
液晶モニターはバリアングル型で、自撮りやVlogしやすく、マルチインターフェースのデジタルオーディオ対応も実現するほか、天面にMOVIEボタンを配置するなど、動画撮影機能ではα7Ⅲを凌ぐ使いやすさを持つ。
バッテリーはα7、α6600と同じNP-FZ100を採用しており、液晶モニター使用時で740枚・215分、EVFでは680枚・220分の撮影が可能で、α7Ⅲより省エネとなっている。
市場推定価格はボディ(ILCE-7C)が両カラーともに約23万円、レンズキット(ILCE-7CL)は約26万4000円である。FE 28-60mm F4-5.6は当面、単体発売はなく(2021年春予定)で価格は6万6000円なので、キットはお買い得だし、当面このレンズを自慢できるのである。
また、α7Cに合わせて、小型ストロボ(HVL-F28RM)が12月11日に発売となる。サイズは65.1×83.5×91.4ミリで重量は219グラム、GN28で電波式のワイヤレス通信機能を持ち、P-TTL調光、ハイスピードシンクロ、マルチ発光も可能で、価格は2万9800円の予定だ。