ASCII Power Review 第81回
光学ファインダーで瞳AF、毎秒14コマの威力
Nikon D6 実機レビュー = フラッグシップ一眼レフの最終形なのである!!
2020年06月12日 13時00分更新
ニコンからデジタル一眼レフのフラッグシップモデル「D6」が発売となった。前モデル「D5」からは4年ぶりのモデルチェンジになる。
デジ一眼の主流がミラーレスに移行した現状から考えると、ニコン一眼レフでは、最後のフラッグシップになるかもしれないとの憶測もあり、ファンからは注目されている。

6月5日に発売。量販店価格はボディーのみで79万8600円。ライバルのキヤノン「EOS-1DX MarkⅢ」より7万8000円ほどリーズナブル。装着しているレンズは「NIKKOR 24-70mm F2.8E ED VR」(実売25万1130円)。
Wi-FiとGPSを内蔵
最先端のCFexpress×2も
外観は前モデル「D5」と比べ、ファインダー部やモードボタンがせり上がっている。おそらく従来のフラッグシップモデルでは外部オプションだったWi-Fi機能とGPSを内蔵したためだろう。重量も35gほど微増している。
ただ、歴代ニコンDシリーズのフラッグシップモデルに共通して言えることだが、ボディー内の重量配分が絶妙で、実際に手にしてみると数値ほどの重量は感じず、軽快に扱うことができる。機会があれは実機で試してみて欲しい。
上部の大型液晶パネルやシャッターボタン周り、モードボタンなどの配置は「D5」と共通。電源スイッチをオンにしてから更に左にスライドさせると、操作系にイルミネーションが点灯され、暗所でも操作に迷うことはない。
背面の操作系も「D5」と同様で、測距点移動をおこなうサブセレクターは、小ぶりだがクリック感があって使いやすい。ただしライバル機である「EOS-1DXM3」が採用した革新的な「スマートコントローラー」と比べると、やや見劣りしてしまう。
メディアはCFexpressのデュアルスロットだが、従来のXQDも使用することができる。速度面では当然CFexpressのほうが有利だが、既にXQDを所有している人なら、とりあえず追加投資不要で使用できるのは嬉しい。
またデュアルスロットの機能では、バックアップ記録やRAW+JPEG分割記録にくわえ、サイズの違うJPEGの分割記録もできるようになった。
報道機関が撮影後に即送信するための新機能だが、一般ユーザーでもSNSへのアップ用に小さいサイズ、大判印刷用に大きなサイズを同時に記録するといった利用が考えられる。欲をいえはRAW+JPEGのバックアップ記録でJPEGサイズを変更できると更に良いが、今後のファームアップに期待しよう。
USB充電には対応せず
JPEGはややシャープネスUPの設定
背面の液晶ディスプレーは撮影時や再生時、メニュー画面の設定など、ほぼすべての操作をタッチで行える。また絞りやシャッタースピード、ISO感度など、露出関連のタッチ操作では1/3EVと1EVステップを並行して利用できる。露出を大幅に変更したいときと、微調整したいときで使い分けられるのは便利だ。
前面や側面の端子も配置に変更はないが、USBがようやくType-Cに進化したが、USB充電には非対応なのが残念だ。また右側面下部にはセキュリティーワイヤーが取り付けられるようになった。野鳥や鉄道などの撮影で、一時的にカメラから離れることがある場合に活躍してくれるだろう。
バッテリーの撮影可能枚数は約3580枚と、ミラーレス機と比べるとまさに桁違いのスタミナを誇る。また微妙ではあるが、バッテリーが前々モデルの「D4」と互換性を持続しているので、再利用できリーズナブルだ。
撮像素子の解像度も「D5」の2082万画素から変更は無い。しかし実際に撮影した画像を見ると画像処理の傾向が異なり、ややシャープネスを強調した仕上がりになっている。
今までの、素材を重視した仕上がりに慣れたニコンユーザーだと違和感があるかもしれない。もちろんRAWで撮影しておけば、後から仕上がりを変更することはできるが、JPEG撮って出しで運用するなら、前もって自分好みの設定を検討したほうがいいだろう。

上記の写真の一部を拡大して比較。初期設定(写真左)はメリハリがありパッと見の印象は良いが、若干シャープが強すぎる感もあり、好みは別れるところ。使用レンズNIKKOR 24-70mm F2.8E ED VR・絞りF5.6・シャッタースピード1/800秒・ISO100・ホワイバランスオート。
連写速度は毎秒14コマ
最高ISOは3280000まで

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