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石川温のPCスマホニュース解説 第89回

「菅首相」の携帯料金値下げ発言に振り回されていると、日本は世界に置いていかれる

2020年09月07日 09時00分更新

文● 石川温 編集● ASCII

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●5Gインフラへの投資には積極的

 今回の有識者会議では、アップルが登壇し、現状に対する改善案を提案していた。たとえば、3月から始まった5Gに対しては「5Gスマホについては、端末割引規制から例外にすべき」と進言していた。アップルとしては、この秋に5Gに対応したiPhoneを投入すると見られており、割引規制は販売に大きな影響を与えるという危機感があるのだろう。

 総務省の報告書では、アップルの提言に対して「5G端末について、その他の端末と異なる特例を設けるという理由はなく、評価・検証を通じて、通信と端末の完全分離によるモバイル市場の動向を引き続き注視していくべきである」と一蹴していた。

 ただ、5Gに関しては、コロナ禍において、様々な業界のデジタルトランスフォーメーションを加速するためのツールとしての期待が大きい。

 多くの人が、在宅勤務などのテレワークをする中で、「ビデオ会議アプリ」のありがたさを知ったはずだ。今後、自宅だけでなく、出張先やワーケーションなどの余暇と仕事を両立させる際には、「高速で大容量、使い放題の回線」が必須になる。Wi-Fi環境を探すよりも、5Gスマホと使い放題のプランがあれば、いつでもどこでもビデオ会議に参加し、仕事をこなせるようになるはずだ。

 政府などは、5Gのインフラ投資には積極的で、インフラを整備する事業者に対して、税金を優遇するなどの措置も行なおうとしている。

 地方創生のために日本全国に5Gのインフラが整備したとしても、肝心の「5G基地局につながるデバイス」が普及しなくては、宝の持ち腐れだ。

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