フードコートで何を食べようかなと見まわすと讃岐うどんチェーン「丸亀製麺」に行列ができている。うどんが一杯300円台とフードコートの中でもリーズナブルで、人の心を引き付けるのでしょう。そんな庶民的な価格帯の丸亀製麺ですが、うどんは「手作り」とうたいます。工場にて一括でうどんを作るのではなく店舗ごとに製麺するのが理念だとか。
いったいどのようにうどんを「手作り」しているのでしょうか? 仕込みで慌ただしいという朝の丸亀製麺をのぞかせてもらいました。営業時間中には見られない光景も収めてきましたよ!
丸亀製麺では「うどん」をどう作っているの?
やってきたのは「丸亀製麺 八潮店」。八潮店はロードサイド店でありながらつくばエクスプレス八潮駅からほど近い絶妙な立地。こちらの店では、他店舗に先駆けて新メニューを出すことも多いそうです。ちょうど行った時には全店ではここだけの「トムヤムうどん」なるメニューもありました。
●開店1時間前はうどんの仕込みで大忙し
丸亀製麺では、オープン前に一斉にうどんやだし、天ぷらなどの仕込みをします。“製麺”作業の多くもこの慌ただしい朝の時間帯に行なうそうです。
ちょうど粉から製麺をするところ。
粉は国産の小麦粉。温度管理をして使用します。丸亀製麺では店舗によって、店内の脇に小麦粉の袋を積み上げていることがありますが、外に置いてあるのは翌日以降に使用する小麦粉だそうです。
●これが製麺機!
腰の高さほどの、このマシン。これが製麺機です。一台で粉のミキシングやプレスなどもこなすうどん専用のマシン。
まずは粉を入れます。ここに、水と塩を加えてミキシングするわけです。
●粉だけではなく水や塩も温度を測る
お塩は季節によって量を調節するそうです。ざっくり説明すると、外気が温かいとうどんが柔らかくなりやすい、寒いと固くなりやすいなど、季節や気候によって影響を受けるため、なるべく均一な質感にするためには調節が必要ということ。また、お塩は温度も測ります。適温は企業秘密だそうですが、お塩まで温度を測るとは意外でした。
●地味な工程も大切!水に塩をしっかりと溶かす
お水も温度を測って投入。
このお水にお塩を加えるわけですが、入れ方が独特でした。
バットごと浸すことで、お塩を一粒もこぼさないような工夫がこらされていました。「原材料を無駄にしない、という会社の理念がある」と説明してくれました。
お水の中に浸ったお塩を製麺担当の飯島さんが丁寧に混ぜて溶かしていきます。ここで急いで早めにこの工程を切り上げると溶け切らなかったお塩が容器に残ってしまいます。
「うどんの味に影響が出るし、塩が無駄になってしまう」とのことで、地味なように見えて塩を混ぜ込む工程はとても大事だそうです。「麺職人」の社内試験でも、ここで焦ってしまうと減点が大きいとか!
●製麺機でミキシング 混ざり具合は目で見て確認
塩を溶かした水を加えて、いよいよ粉のミキシング。
あとは、機械まかせかと思いきや……。機械でしばらくミキシングをしては、機会を止めていったん手で混ぜて、再度機械でミキシングする、の繰り返し。あれ? けっこう手作業ですね。
機械でミキシングしてもダマはできるので、それを手でほぐさないといけないそうです。また、ミキシングは時間で測るのではなく、目で混ざり具合を見て大丈夫かをチェックするそう。
●水を吸ったうどんの種は重~いけど、撫でるように空気を抜く
ミキシング工程が終わったうどんの種。小麦粉12.5kgに、水、塩が加わり、これで約100人分のうどんがとれるそう。
うどんの種はふくろに入れて空気を抜いて縛ります。この時に、体重をかけてはうどんにムラができるのでNG。撫でるようにして、優しく空気を抜くそうですよ。重いうどん種を操るのに繊細な作業で大変。
ここまでできたら、冷蔵庫で寝かせます。
寝かせたうどんをいつ使うかと言うと明日。ここまで仕込んできたうどんは明日の分のうどんなのです。私はぼんやり、今仕込んだうどんをその日のうちに食べるのだなと思っていたのですが、熟成させて翌日使うわけです。つまり、店内では、その日の準備と並行して、翌日のうどんも仕込んでいるということ。
明日のうどんと、今日のうどん。それぞれを準備しつつ、おだしや、天ぷらなども順次用意。朝の丸亀製麺はあちこちからおいしい雰囲気が立ち上がってきます。まるでお祭りの準備を目の当たりにしているようにワクワク感が高まってくるじゃないですか。
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