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突撃!ナベコの「知りたいんだけど、きかせて!!」 第26回

丸亀製麺の朝は「次の日のうどん」の仕込みから始まる

2020年09月02日 16時10分更新

文● ナベコ 編集●ASCII

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切り出し、茹で上げ工程は大興奮!大きな茹で釜に魅入られる

昨日作ったうどん種がプレスされて座布団状になっています。

 今日の分のうどんはこちら。先ほどのうどん種の状態のものが、その日のうちに一次プレスを済ませ、翌日に二次プレスをして四角い座布団状のものが4つできあがります。

 この座布団をプレス機にかけていきます。

 少しずつ薄くなります。

指の腹で触るように優しく。

楽しそう!

 生地を薄くのばす工程はいかにも“製麺”という感じで、見ていていて自分もやりたくなりました! 実際にやってみるとそう簡単ではないだろうということは理解しつつも、絵本でみた職人さんのようで憧れちゃいます。

薄くした生地をカットして美しい麺が現れる!

麺棒にクルクル。

 適した厚さになったら、ムラができないように生地を麺棒にクルリと巻き付かせます。

 切り出し機に麺棒をセッティングすると……。

シャラーン!と、うどんが現れました!!

 瞬く間にカットされた麺が登場! わーキレイ!

すだれのようで美しい。

 まるですだれのよう(例え、合っていますかね)。小麦粉から“うどん種”に。平たくなって“うどん生地”に。それがカットされて、ようやく“うどんの麺”になりました。仕込みからまる1日以上かかっています。

店内の大きな茹で釜で茹で上げ

 カットしたうどんは麺棒につけた状態で茹で釜へ。

 お湯へ沈めたあとも麺がきれいバラけるように、わずかな時間、麺棒はそのままで。ここも“慌てない”ことが大事。

麺棒を引き抜いたあと、麺はしばらくお湯の中で遊ばせます。

 麺は最初、茹で釜の小さいほうに入れ、少し時間が経ったら、網ですくって大きいほうに移します。茹で上げ時間はトータルで15分以上かかります。生麺から茹でるのでけっこう時間がかかるのですね。

店内の大きな茹で釜で茹で上げます。なお、釜揚げうどんの場合は、釜で茹で上がったうどんを冷や水で締めず、茹で湯ごと提供します。

 グツグツと蒸気を立ち上げる茹で釜は厨房の中でも圧倒的なインパクト。うどんが泳いでいる状態だとつい魅入られてずっと見てしまいます。おいしいうどんになあれ!

そうこうしている間にも、開店の準備が整ってきた

 茹で時間が少しかかるので、厨房内の他の箇所もグルッと見てみました。あちらこちらで、開店の準備が進んでいるではないですか!

 揚げ物のブースでは天ぷらが良い色にどんどん揚がってきています。おいしそう!

揚げたての天ぷらがズラリ。

 また、うどんのお供として定番の「おいなりさん」を仕込んでいるところにも遭遇しました。

おいなりさんも手で握っています。

 当たり前かもしれないですが、おいなりさんもひとつひとつ手で握っているんですね。丸亀製麺はうどんがメインだとつい考えがちで、おいなりさんはあまり食べたことはありませんでしたが、握っているところを見たら無性に食べたくなりました!

いよいよ仕上げ

先ほどのうどんが茹で上がりました!

 しばらく経って先ほど釜に入れたうどんが茹で上がりました。製麺担当は茹で上がったうどんは必ず1本試食して、仕上がりに問題がないかチェックするそうですよ。

 常温の水でぬめりとり。

かがむ姿勢が大変そうですが、丹念にうどんのぬめりとりをされていました。

 次に、冷水でうどんをしっかりと締めます。手を冷水につけるので冬場には手先が寒くなるそう。

冷水で締めて仕上げ。

 丁寧に締めたうどんは重量を計ってひと玉に。

ひと玉(並)ごと分けていきます。これでうどんの出来上がり!

 スケールを使用しつつも慣れてくると手の感覚でだいたいひと玉がわかるようになるそうです。麺職人の職人技ですね。

麺職人は所作も美しい!

 これでうどんの出来上がり! あとは注文ごとにおだしに入れるなどして調理。前日に仕込んだうどんがようやく、私たちが食べるメニューとして提供されます。

丸亀製麺の「うどん」は想像以上に“手作り”だった

 うどんを作る工程をざっと見てきました。“手作り”といっても、ある程度オートメーションでできるものかと想像していたため「ミキシング機を使いながらも手で混ぜているんだ」とか「プレス機を使いつつ手の感覚で厚みを決めているんだ」とか、“人の勘”がないと成立しない工程が多くて驚きました。チェーン店だったらもっと手間を省けばいいのに、と思うくらい。

 「丸亀製麺」、“製麺”というだけにちゃんと“製麺”していた。うどんというと食べる側は低価格で気軽にいただいているかもしれませんが、提供する側は手間暇をかけているのだとあらためて再認識しました。

切り出した麺を茹でる瞬間がかっこよくて、見ていて気持ちが昂りました!
 

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