まとめ
今回アップデートされたiMac 27インチで、フルオプションを指定すると、いったいいくらになるのか。まず標準モデルの最上位(24万9800円)を選び、CTOオプションとして、Nano-textureガラス(+5万円)、3.6GHzの10コアCore i9(+4万円)、128GBメモリー(+26万円)、16GBのRadeon Pro 5700 XT(+5万円)、8TBのSSDストレージ(+24万円)、10ギガビットEthernet(+1万円)を選択すると、89万9800円となる。これは、ベースの価格と比べると、まったくカテゴリーの異なるマシンのようにさえ思えてくる。
こうなると、ライバルはiMac Proなのではないかと思えるかもしれない。しかし、iMac Proは、またさらに別のカテゴリに属するマシンだ。ベースモデルは1種類のみで55万8800円。性能に関するものだけでもフルオプションを選択すると、価格は140万円を超える。それでもiMac 27インチが勝る部分もある。Nano-textureガラスと、最大のストレージ容量(iMac Proの最大は4TB)だ。また細かい点を上げれば、True ToneテクノロジーもiMac Proは未採用だ。
コンピューターとしての性能とは直接関係のない部分を見ると、今回の27インチモデルは、1080pのFaceTime HDカメラ、高音質のスピーカー、スタジオ品質の3マイクアレイを新たに装備した。これらは、現行の21.5インチモデルではまだ実現されていない27インチならではの特徴だ。
実際に本体スピーカーで音楽を再生してみると、いったいどこにスピーカーがあるのかと、何かトリックがあるのではないかと感じてしまうほどの音場が再現される。低音の迫力も、一般的な小型のデスクトップ用スピーカーを凌駕する。音楽制作などを主とするのでなければ、外部スピーカーは必要ないだろう。3マイクアレイは、環境ノイズを抑えたクリアな音声を収録できるが、本体に装備しているためどうしてもユーザーの口からの距離は遠くなり、オフマイクの音になるのは避けられない。オンライン会議などで、ユーザーの声だけを確実に拾いたい場合には、別途ピンマイクなどの使用を検討したほうがいいかもしれない。
インテルCPUを搭載したMacを代表するモデルを、これからも長期間使いたいと考えている人にとっては、今回のiMacは間違いなく買いだろう。また、Macが誕生してからこれまでの紆余曲折の集大成という意味でも、1つの記念碑的なモデルになっていると考えられる。