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【実機レビュー】アップル新iMac 27インチはインテル時代最後の記念碑的なモデルだ!

2020年08月29日 12時00分更新

文● 柴田文彦 編集●飯島恵里子/ASCII

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メモリーは2倍、ストレージは4倍、最大コア数は10に拡大

 今回のアップデートでも、外観にはほとんど変化が見られない。つまり、アップデートされた項目のほとんどが、内部の性能、機能強化に注がれていることになる。ここで「ほとんど」と書いたのは、1点だけ外観にもかかわるアップデートが含まれているからだ。そして、それこそが今回のアップデートの最大の特徴と見ることもできる。それについては少し後に回して、まず内部スペックが向上した部分を確認しておこう。

 その中でパフォーマンスに直接影響を与えるのは、なんと言ってもCPUのアップグレードだ。今回の27インチに用意された標準構成モデルは3種類。各標準モデルのCPUは、ローエンドから順に3.1GHzで6コアのCore i5、3.3GHzで6コアのCore i5、そして3.8GHzで8コアのCore i7という構成だ。CTOオプションでは、最下位モデルを除く上位2モデルのみ、3.6GHz動作の10コアCore i9が選べる。アップグレード価格は、中位モデルの3.3GHzのCore i5からは+5万円(以下、価格はすべて税別)、上位モデルの3.8GHzのCore i7からは+4万円だ。

 搭載メモリーは、2666MHzのDDR4で、すべての標準モデルが8GBからスタートする。CTOで可能なオプションは幅が広く、16GB(+2万円)、32GB(+6万円)、64GB(+10万円)、最大は128GB(+26万円)となっている。これは旧モデルで可能だった搭載量の2倍だ。CTOの場合、32GBまでは8GBあたり2万円だが、64GBでは8GBあたり約1.4万円、128GBでは同約1.7万円となっていて、単位価格が変動するのでコスパ的には選択が難しい。

 ただし、27インチモデルではユーザーが直接メモリースロットにアクセスでき、購入後に入れ替えることも可能となっている。最初は最小構成でiMacを購入し、後から必要に応じてメモリーを単体で追加購入して自分で増設すればいい。それなら、その時点の時価でメモリーを購入できるので、少なくともiMac購入時に悩む必要はなくなる。

メモリーの取り付け方法はアップルの公式サイトに掲載されている

 今回のiMacでは、すべてのモデルがSSDを標準搭載するようになったことも1つの大きな特徴だ。従来のFusion Driveは廃止された。なお現在では、iMacの21.5インチモデルも、Mac miniも、すべてSSDが標準となり、もはやMacの現行モデルでFusion Driveを搭載するものは存在しない。27インチ標準構成モデルのSSDは、下位モデルから順に256、512、512GBの容量を装備する。CTOでストレージ容量を変更できるのは、最下位モデルを除く上位2モデルだけ。

 中位モデルのオプションは2種類で、1TBが+2万円、2TBが+6万円だ。最上位モデルでは、それに加えて4TBで+12万円、8TBで+24万円という選択肢が加わる。旧27インチモデルのSSDの最大容量は2TBだったので、SSDとしての最大容量は4倍に拡大されたことになる。

 iMacは伝統的に21.5インチの最下位モデル以外は、すべて独立したGPUを装備するのも特徴だ。27インチモデルはすべてRadeon Proを標準装備する。標準モデルでは、下位と中位が4GBのGDDR6メモリーを搭載するRadeon Pro 5300、最上位モデルは8GBのGDDR6メモリーを装備するRadeon Pro 5500 XTを奢られている。これらのうち、CTOでGPUをアップグレードできるのは最上位モデルのみ。+3万円で、8GBのRadeon Pro 5700へ、+5万円で16GBのRadeon Pro 5700 XTに変更可能だ。このGPUは、旧モデルで選択可能だったRadeon Pro Vega 48と比較しても、だいたい50%前後の性能向上が得られるとアップルでは見積もっている。

 このように、3種類の標準構成モデルについて、それぞれのCTOによるアップグレード可能性を見てみると、大きな非対称性が認められる。メモリーこそ、すべてのモデルで標準仕様も最大容量も同じだが、それ以外のCPU、GPU、ストレージなどは、選択可能なオプションに大きな差がある。自分の用途に応じてカスタマイズすることを検討する場合には、スタート地点を間違えないように注意する必要がある。

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