■偉い人が気付かない日本車の価値
例えばイタリアは20年以上で減税され、30年になると免税。イギリスも1973年以前のクルマは免税。ドイツは無改造であることなど細かく条件は付くものの、30年を過ぎると排ガス規制は免除され、税金も一律年額191ユーロになる「Hナンバー(Historich=歴史的)」があります。私費を投じて歴史的遺産を動態保存しているのだから、これくらいは当然です。
ここで恐るべきはアメリカの「25年ルール」、カナダの「15年ルール」であります。初年度登録から25年、あるいは15年過ぎた車は「クラシックカー」として扱われ、排ガス検査を受けなくても輸入できるルールです。両国とも右ハンドル車の輸入を認めておりませんが、クラシックカーならそれもお咎めなし。
おかげでゲームや映画であちらの若者に人気となった「80スープラ」や「R32型スカイラインGT-R」はジャンジャン輸出され、日本国内の中古車価格は高騰。今年で25年ルールが適用される1995年型「ランエボIII」も、すでにバイヤーが買いあさって国内市場にタマがない状態なのだとか。
イタリアが先の減免措置を講じたのは、まさにこうしたクラシックカーの流出対策だったと聞いています。ところが我々の国の偉い人はクルマを目先のメシのタネとしか考えておらず、文化的価値を認めていません。日本は自動車後進国だから仕方がないとは言え、同じアジアの韓国ですら登録3年目以降、毎年5%づつ自動車税は減税されて最終的には半額になるそうです。
グリーン化税制は廃仏毀釈のような愚かな施策です。浮世絵が「美術品」として海外へ流出したように、いずれ日本の名車も国内から消えてしまうかも知れません。
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