日本の鉄道の中心地といえば「東京駅」。人が常に行き交う場所でもあり、最近はショッピングスポットとしても注目されている。かつては恵まれているとは言えなかったラーメン店も、2009年に八重洲地下街で「ラーメンストリート」、2019年にはKITTE丸の内の地下で「ラーメン激戦区 東京・丸の内」がオープンし、一気に様々なラーメンを楽しめるエリアになった。
そんなラーメンブームが、ついには東京駅の改札内に。JR東日本の関連企業による「グランスタ」が規模拡大し、8/3に「グランスタ東京」にリニューアル。注目のラーメン専門店も2軒開店したので早速訪問してきた。既存の「グランスタ」の場所とは異なり、八重洲口と丸の内口に1軒ずつなので注意してほしい。改札内にあるという事は、電車の乗換ついでに食べていけるという事でもあり、便利さでは東京イチと言える存在でもある。
まずは八重洲地下中央口の隣に開店した「NIPPON RAMEN 凛 TOKYO」。東京駅の中央通路から、更にエスカレーターを降りて八重洲方面に進み、改札を出る手前の右側にある。
この店をプロデュースしたのは、札幌市の中心部で2014年に創業した「Japanese Ramen Noodle Lab Q」の平岡店主。東京などのラーメン店で修業し、札幌ラーメンとは異なる「鶏清湯」をメインに人気を集めている。
今回は「日本の食材・醸造文化・伝統を丼の中に」をテーマに、まずは「醤油らぁ麺」とトッピングのみのシンプルなメニュー構成でスタート。
北海道の「新得地鶏」を始めとした、国産の鶏と豚を丁寧に煮出した澄んだスープ。魚介系素材も少量加えているとの事だが、鶏と豚の旨みが力強く響き、醤油ダレの旨みが下支えしている。
スープに合わせたレシピを受け取り、「中華蕎麦 とみ田」直営の製麺所「心の味食品」が製麺を担当。国産小麦をブレンドした中細のストレート麺。
しっかり茹でているのでスープと滑らかに調和している。最近人気の「淡麗系ラーメン」のようにも見えるが、ひと味異なる「折り目正しい、オーソドックスな醤油ラーメン」といった印象。余韻を楽しみながら一気に完食した。
もう一軒は「ラーメン雷 東京本丸店」。
こちらは、松戸の名店「中華蕎麦 とみ田」が手がけるガッツリ系ラーメン店。千葉県内に3店舗あるが、4軒目にして初の東京出店で、「本丸店」と名付けられた。中央線ホーム下の通路沿い、丸の内中央口と丸の内北口の中間に出店している。店内が満席の時は、少し離れた場所にある行列スペースに並ぶ。店員さんが食券を回収する際に「ニンニク入れますか?」問いかけるので、最初に決めておきましょう。
メニューは「雷そば」と「汁無しそば」の2種類。トッピングやサイドメニューを豊富に用意している。
これまでの「ラーメン雷」よりも濃厚さを増したスープに、約180gのモヤシとキャベツ、バラチャーシュー、醤油で味付けた「アブラ」、そしてニンニクも加わって賑やかな一杯。
「とみ田」直営店なので「心の味食品」が製麺を担当しているが、「凛」と対照的な太く激しく縮れた麺がたっぷり入る。「並」だと250g、「ミニ」でも150gで、一般的なラーメン店の普通サイズはある。がっつり食べて満腹間違いなしの、ガッツリ系ラーメンの王道をゆく一杯。
多くの店が登場して、ラーメン以外も話題の「グランスタ東京」。通勤などで立ち寄ってもよし、ここを目当てに出かけても満足できる注目スポットです。
山本剛志 Takeshi Yamamoto (ラーメン評論家)
2000年放送の「TVチャンピオンラーメン王選手権(テレビ東京系列)」で優勝したラーメン王。全国47都道府県の10000軒、15000杯を食破した経験に基づく的確な評論は唯一無二。ラーメン評論家として確固たる地位を確立した現在も年に600杯前後のラーメンを食べ続けている。
百麺人(https://ramen.walkerplus.com/hyakumenjin/)
本人Twitter @rawota
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