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ロードマップでわかる!当世プロセッサー事情 第573回

Zen2コアAPU「Renoir」のデスクトップ版を突然投入 AMD CPUロードマップ

2020年07月27日 12時00分更新

文● 大原雄介(http://www.yusuke-ohara.com/) 編集●北村/ASCII

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Ryzen 7 4700GとCore i7-9700を比較
Renoirのゲーム性能は圧倒的

 では個別の性能をみていこう。まずRyzen 7 4700GとCore i7-9700との比較である。どちらもTDPは65Wだ。さて、CPU性能ではそのCore i7-9700と比べてもかなり高めになっているのがわかる。

Ryzen 7 4700GとCore i7-9700のCPU性能。ビデオエンコードが同性能なのがややおもしろい

 ゲーム性能はもう比較にならないというか、そもそもCoffee LakeのIntel UHD GraphicsはRyzen 5 2400Gと比較しても半分くらいの性能でしかなかったので、さらに性能を引き上げたRyzen 7 4700Gの敵ではない。

ゲーム性能比較。正直ここは実フレームレートを示してほしかった

 絶対的な性能がわからないため(AMDの資料にもフレームレートそのものは示されていない)、「Ryzen 7 4700Gの内蔵GPUでどこまでプレイが楽しめるのか?」というのは未知数ではあるが、個人的な感想で言えばCivilization VIあたりなら現実的な気がする。CS:GOやRocket Leagueは、もう少し解像度を落とした方が良さそうな気はする。

 ただ、予算の関係でビデオカードは後回しというユーザーであっても、とりあえず使える性能は確保できている感じだ。

Ryzen 5 4600GとCore i5-9500を比較
スレッド数の差が性能差に現れる

 続いてはRyzen 5 4600GとCore i5-9500の比較だ。まずCPU性能で言えば、6コア12スレッドと6コア6スレッドではやはり6コア12スレッドに軍配が上がるのは当然ではある。

Ryzen 5 4600GとCore i5-9500のCPU性能。このあたりのグレードのCPUで、ビデオエンコードやリアルタイムレンダリングにどこまで意味があるかという議論はもちろんあるのだが

 ゲーム性能もやはり比較にならず。もっともRyzen 5 4600GではCU数が7、動作周波数も1900MHzに落ちているので、絶対的にどこまでプレイ可能かはやや厳しいところな気がする。このあたりの検証はいずれ実際のプロセッサーを利用して行なわれるだろう。

ゲーム性能はCore i5-9500の性能が低い、という意味に捉えておく方が無難

Ryzen 3 4300GとRyzen 3 3200Gを比較
スレッド数の差が性能差に現れる

 最後がRyzen 3 4300Gである。まずRyzen 3 3200Gとの比較が下の画像だ。GPUに関しては意外に大きな性能差がないのは、CU数×動作周波数がほぼ一緒だからである(Ryzen 3 3200Gが8CU/1250MHz、Ryzen 3 4300Gが6CU/1700MHz)。

CPUの動作周波数は、ブーストは同じ4GHzながら、Ryzen 3 3200Gはベースが3.6GHz、Ryzen 3 4300Gは3.8GHzである。ただCineBench 1Tの性能が24%も上がっているのは、単に動作周波数の差だけではないはずだ

 ただそれでも12%の性能改善があるのは、メモリー帯域の差だろうか。今度の比較対象はCore i3-9100であるが、CPU性能も大差だし、ゲーム性能も大きな伸びを見せている。

Ryzen 3 4300GのCPU性能。本当はそれこそPCMark 10のApplication Suiteあたりを示してくれるのが一番参考になるのだが(まぁ自分でやれ、ということなのだろう)

Ryzen 3 4300Gのゲーム性能。Ryzen 3 4300Gの絶対的な性能はKaveriくらいは期待できるだろうが、それ以上ではなさそうに思える

 以上のように、性能的にはわりと期待できそうな感じのRyzen 4000Gシリーズである。ちなみに今回35WのGEシリーズについては特に性能に関する開示がなかった。

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