現行GT-Rエンジニアが手がけた走りの味に笑顔がこぼれる
デイズとルークスは兄弟車だが、走りのテイストはかなり異なる印象だ。柔らかくしなやかなデイズに比べ、ルークスはバネレートそのままに、減衰力を高めたかのような印象。これは想像だが、デイズは1~2人の利用をメインとしているのに対し、ルークスは家族全員での移動に主眼を置いたのではないだろうか。不快かというと、そこは不快でなく、どこかNISMOロードカーに似た質感を感じさせる。後日担当者から伺ったところによると、今回のデイズ/ルークスは、過去「R35 GT-R」を担当したエンジニアも参画しているそうで、ルークスにはどこかGT-Rにつながるシッカリ感がある。ゆえに重心は高いにも関わらず、怖さが少ないどころか、どこか楽しい印象を与えてくれる。
この楽しさに拍車をかけるのが自然吸気のハイブリッドエンジンだ。ターボモデルと比べれば非力さはあるのだが、フィーリングの面ではこちらが上。イマドキのクルマはダウンサイジングターボ優勢だが、自然吸気の方が生理的気持ちよさは上。そこにハイブリッドが加わるので、信号ダッシュなどでも遅れをとることは少ない。このエンジン、実によくできていると感心した。
その気持ちよさを更にアップさせるのが、ジャトコ製CVT-S。加速時、アクセルを踏んでもエンジン回転数はあまり上がらない従来のCVTとはことなり、トルコンATのような一定回転数まで上がってから、一度エンジン回転数が下がる動作をする。それゆえ踏む楽しさがある。この自然吸気ユニットとCVTの組み合わせでホンダ「S660」やダイハツ「コペン」のようなクルマがあれば面白いのに、と余計なことを考えてしまう。
機能面で注目はProPILOT。言わずと知れた高速道路における運転支援だ。一度体験すると「この機能ナシのクルマで高速道路は乗りたくない」というのが本音。デイズと同じモノかと思いきや、バージョンアップしたものを搭載している。プロパイロットはカメラからの映像を元に処理を行なうが、ルークスではミリ波レーダーが追加され、200m前後の遠距離センシングが追従時の加減速を細かく制御する。レーダーの特性を活かし、2台前の車両の距離、相対速度もその制御に加味。2台前のクルマが減速した場合、前走車の減速を待たず先を読んだ制御が可能になったという。スタンダードモデルにProPILOTの設定がないのは少し残念なところだ。
【まとめ】街乗り最強! 楽しさに溢れている
「軽スーパーハイトワゴンはファミリー向けで、面白味に欠ける」と思っているなら大間違いだ。ルークスの自然吸気仕様はエンジンを積極的に回し、小気味よく走る楽しさに溢れている。そこにたっぷり収納と快適な後席を備えるという使い勝手の良さがプラスされる。今流行りのコンパクトSUVより、街乗りに関してはスポーティーでユースフルだと心底感じた。街乗りでのルークスに死角ナシといえるだろう。

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