このページの本文へ

日本在住ラーメン大好きアメリカ人による「ラーメンアドベンチャー」 第19回

青森の伝説(?)「キリストラーメン」をアメリカ人が食べてみた……そのお味は? えびす屋(青森県・三戸郡新郷村)

2020年07月10日 12時00分更新

文● ブライアン・マクダクストン 編集●ラーメンWalker

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

 そう、これは「キリストラーメン」。

 この不思議なラーメンと太古のロマンを求めて、青森の山奥にやってきた。

 なぜ青森でキリストなのか? 説明しよう。

 1936年、竹内文書という謎の古文書が発見された。

 3000億年前からの歴史が記されているというこの古文書の中では、イエス・キリストについても書かれている。

 キリストは33歳の時にゴルゴダの丘で十字架刑に処されそうになったが、弟が身代わりとなって死に、キリスト本人は日本の青森へと逃れてきた。そこで日本人女性と結婚し、3人の娘を育て、106歳でこの世を去ったとされている。

 そんなキリストと、彼の身代わりとなった弟の墓があるのがこの地、青森県三戸郡の新郷村(旧戸来村)だ。

 ちなみに竹内文書の大部分は東京大空襲により焼失してしまい、今ではその真偽のほどは不明なのだとか。なんて都合のいい……。

 まさに「信じるか信じないかはあなた次第」だ。

 さて、ラーメンの話だ。

 キリスト伝説が残る新郷村で20年以上営業を続けるラーメン店「えびす屋」にやってきた。

 立地のせいなのか時間のせいなのか、先客はゼロだった。

 オーダーしたのはもちろん、えびす屋名物の「キリストラーメン」。七福神である恵比寿天とキリストか……宗教に寛容な日本っぽい組み合わせだ。

 スープは鶏ガラと醤油ダレのあっさりとした和風味。梅干しの酸味を効かせているのがヘルシーで面白い。

 そして豚チャーシューの代わりに、自家製の山芋ローストがトッピングされている。「キリストは肉を食べないから」という理由からだそうだ。本当か!?

 六芒星を型どったナルトがキリストラーメンっぽさを醸し出している。ここでしか食べられないであろう不思議な一杯、貴重な体験となった。

 こんなラーメンに出会うため、僕は旅をしているんだ。

 ※本記事は本人からの許諾を取り、以下の英語ブログに最新情報を加え日本語に翻訳したものです

えびす屋(Jesus Ramen at Ebisuya in Aomori)

 http://www.ramenadventures.com/2020/02/jesus-ramen-at-ebisuya-in-aomori.html

ブライアン・マクダクストン Brian Macduckston (ラーメンブロガー)

日本在住のラーメン大好きなアメリカ人。ラーメンを英語で発信するラーメンブログ「Ramen Adventures」は世界的な人気を獲得。2015年には書籍「最強アメリカ・ラーメン男 東京 極ウマ50店を食べる(K&Bパブリッシャーズ)」も刊行。現在はラーメン店の世界進出時のコンサル等も担当している。

百麺人(https://ramen.walkerplus.com/hyakumenjin/

本人ブログ http://www.ramenadventures.com/

カテゴリートップへ

この連載の記事
もぐもぐ動画配信中!
アスキーグルメ 最新連載・特集一覧