Webサイト管理者のための2020年版“IPv6対応入門”第2回
IPv6アドレスの表記法から、特殊な意味を持つIPv6アドレス、ファイアウォール設定時の注意点まで
IPv6で使うアドレスは、IPv4とどこが同じでどこが違うのか
IPv6では単一のインタフェースが複数のアドレスを持つ
ここまではIPv4とIPv6のIPアドレスそのものの違いに着目して説明してきたが、IPアドレスとノード/ホストの対応関係にも違いがある。
まずは先ほども触れたが、IPv4ではアドレスの割り当て対象が「ホスト」であるのに対し、IPv6では「ネットワークインタフェース」に割り当てる考え方に変わっている。
現在のサーバーマシンは、物理的に複数のネットワークインタフェース(ポート)を備えることが多く、さらには仮想化技術の普及によって、1つの物理インタフェース上に複数の仮想インタフェースが作られるケースも増えた。こうした多数のインタフェースを明示的に個別の宛先/送信元として扱えるようにしたわけだ。もちろんOSやアプリからも、具体的にパケットをどのインタフェースで送受信するのかを指定/判別できる。
もうひとつの違いは、IPv6ネットワークで通信しているインタフェースは一般的に「複数の」IPv6アドレスを持っている点だ。
前述したとおり、IPv6ネットワークで通信を行うためにはリンクローカルアドレスが必須となるため、インタフェースはIPv6のグローバルアドレスまたはユニークローカルアドレスと同時に、リンクローカルアドレスも持っている。そのほかにも、IPv6アドレスの自動設定処理を行う中で、自動生成されるアドレスを一時的に持つこともある。
* * *
以上、今回はIPv6アドレスの持つ特徴をIPv4アドレスと対比させながら見てきた。IPアドレスの長さやさまざまな名称が変わっているものの、基本的な部分ではIPv4を継承していることがおわかりいただけただろうか。
次回は、より具体的なIPv6ネットワークの構成を考えて、IPv6ネットワークではどのように通信が行われるのか、IPv4ネットワークとの違いはどこにあるのかを見ていきたい。
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