RINK PITCH 2020レポート
呼吸器疾患解決、次世代電子顕微鏡、ひも酵母ドリンクなど、再生・細胞医療ベンチャーが集ったピッチ大会
2020年04月09日 16時00分更新
ナノファイバーを用いた3次元細胞デバイス
株式会社幹細胞&デバイス研究所は、ナノファイバーシートを用いた細胞デバイスを開発・販売する京都大学発ベンチャー。同社では、iPS細胞の安定した心筋分化誘導技術とナノファイバーによる配向性制御技術を用いて、3次元配向性の高機能性心筋組織片デバイス「SCAD-MT cardiomyocyte」を開発。また国家戦略特区の認定を受け、希少疾患治療薬の探索へ向けたモデル細胞/評価系構築にも取り組み、京都府立医科大学との共同研究でシャルコー・マリー・トゥース病疾患の評価モデルの開発を進めている。
幹細胞を増殖させるアルツハイマー治療薬や毛髪再生コスメ
株式会社プロジェニサイトジャパンは、米セントラルフロリダ大学の菅谷公伸教授の研究成果の事業化を目的に設立された米国大学発ベンチャーの日本法人。米プロジェニサイト社は、幹細胞を利用した再生医療を始めとする60以上の国際特許を保有し、再生医療・がん治療の医薬品、医療技術、コスメなど幅広く事業を展開している。事例として、移植手術なしで幹細胞を増殖できる経口薬「KS-217」、毛髪を再生するコスメが紹介された。
線維芽細胞を用いた心不全向け治療法
株式会社メトセラは、心不全向けの医薬品として線維芽細胞を用いた「VCF」を開発。幹細胞を使わないためリスクが低く、シンプルな製造法で安価に製造できるのがメリットだ。正確な投与を実現するためにカテーテルを使用。豚での実験では、不整脈を起こさずに治療が行なえているとのこと。現在シリーズBで10億円の資金調達を目指しており、治験へと繋げていく計画だ。フェーズ1は2020年末に開始予定。
免疫データのAI解析技術で希少疾患を診断
KOTAIバイオテクノロジーズ株式会社は、阪大免疫学フロンティア研究センター発のベンチャーとして2016年に設立。免疫AI解析を専門に、クラスタリング手法で希少疾患の診断や再発防止の研究に取り組んでいる。現在は大学研究機関や製薬企業との共同研究のほか、創薬標的やバイオマーカー探索技術のライセンス提供、シングルセル解析受託サービスも開始している。
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