脚がないのでこのまま使うことはできません
ただ、このシートには難点もあって、自立ができません。つまりこのままではイスとして使えないということ。UH-60Aの天井にあるバーにアブソーバー入りの金具で吊るされるため、シートの下にはアブソーバーが入った揺れ止めが付いているだけなのです。
座面はキャンプ用の折りたたみチェアのように布1枚で、座ると下に膨らむようになっているので箱や台の上に置くことはできません。イスとして使おうと思ったら脚を自作する必要があります。ちょっと大変。
ミッションによって脱着するシート
UH-60Aは多目的ヘリなので、ミッション要件によって構成や機内レイアウトを自由に変更することができます。兵員輸送時はキャビン内に11人分のtroopシートをセットし、キャビン前部には左右に1基ずつgunnerシートを外向きに設置します。troopシートは前から3、4、4基となっていて、真ん中の4基は後ろ向きになります。
シート下のアブソーバーは、前向きのシートも後ろ向きのシートも機体前方から斜め下に向かうようになっています。つまり前向きのシートは座面の前部にアブソーバーが付いていて、後ろ向きのシートは座面の後部に付いているということになります。
ワタシが買ったシートは前部に付いているので前向きで使われていたものですね。後部にも金具はあるので、アブソーバーを付け替えれば後ろ向きシートにすることもできます。
攻撃用にする場合は機銃やロケットランチャーなどを装備した上で、gunnerシートを取り外し、6基のtroopシートのみに。捜索救助(Search and Rescue、SAR)に使う場合は要救助者を吊り上げるホイスト(荷物を持上げ、移動させるために用いる小型の巻上機)を取り付け、2基のSARシートと6基のtoopシート、ベッドなどをセット。物資運搬の場合は、troopシートを取り外してカーゴルームにします。
これらの変更を短時間で可能にするため、シートは簡単に脱着できるようになっています。
キャビンにシートを取り付ける正確な手順は不明ですが、吊り下げ金具のレバーを引き下げるとテンションを緩められ、フックを天井に引っ掛けて吊り下げてから床に固定するんだと思います。最後に吊り下げ金具のレバーをロック位置に押し上げるとテンションがかかってしっかりと固定されるのかなと。
イスとして使うには脚を自作する必要があると書きましたが、せっかくだから、これらの機構を活かして実物同様に吊り下げられるようにしたいところですね。天井のバー代わりの枠や床を作る必要があり大掛かりな工作になるので、すぐにはできないですけど。
それと、それより何より、まずは掃除をしなくては。放出された状態のままなので砂と埃まみれなのです。次回は分解と掃除にチャレンジしようと思います。
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