モトローラの家電話やノキアのケータイもまだまだ人気
リスボンで見つけたレア端末
ヨーロッパの西端に位置するポルトガル。その首都リスボンには深夜24時まで開いている巨大なショッピングモール「Colombo」があります。以前筆者はバルセロナで開催されるMWCの取材前にリスボンに立ち寄ったことがありますが、それ以外の時期に再びリスボンを訪れるチャンスはなかなかありませんでした。
今回はロンドンからバルセロナへ移動する際、ポルトガル航空のリスボン乗り継ぎ、しかも乗り継ぎ時間は9時間というフライトを選んだため、6年前ぶりにリスボンを訪問してみました。
Colomboショッピングモールは地下鉄駅に直結もしており、空港から1時間もかからずに到着できます。ヨーロッパにしてはめずらしく夜遅くまで開いているので、夜にリスボンについてもそれから買い物に出かけることも可能です。
モール内にはポルトガルの3つのキャリアや家電量販店が入っており、SIMフリーのスマートフォンを買うことも可能です。家電量販店ではやはり発表されたばかりの「Galaxy S20」シリーズが人気。Galaxy S20 Ultraの100倍ズームカメラを試すお客さんもいるなど、この春注目の製品です。
さてサムスン電子以外にどんな製品が売っているかと見回すと、なんとアルカテルのスマートフォンが大々的に売られています。モデルは「Alcatel 1」シリーズや「Alcatel 3」シリーズといったローエンドモデルです。価格が200ユーロ前後(約2万4000円)と手軽なことと、古くからの有名ブランドのため安心感があるということでしょうか。
同じフランスブランドのスマートフォンといえばWikoもありますが、今やヨーロッパでもほとんど見かけなくなりつつあります。ここでも2つのスマートフォンが売っていましたが、超低価格のエントリーモデルしか見つからず。最近は目立った新製品も出ていないようですし、100ユーロ前後(約1万2000円)のモデルはシャオミなどに人気を奪われてしまっているのでしょう。
ところで家電量販店のスマートフォン売り場の実機展示エリアの下の棚には、なぜかモトローラの電話機が積み重なっていました。コードレスタイプもあり、種類は5機種くらい。モトローラブランドはまだまだ人気なのでしょうか。ところがスマートフォンコーナーにはモトローラの製品は皆無。スマートフォンと固定電話は問屋や流通経路が違うのかもしれませんが、この状況を見てみるとポルトガルでもモトローラのスマートフォンが出ていればかなりの人気になると思われます。
さて中国メーカーのスマートフォンの中でも、なかなか海外で見かけない製品も売っていました。家電メーカー・ハイセンスの「H30」です。SoCがMediaTek P70、6.5型(2340×1080ドット)のディスプレー、メモリー3GB、内蔵ストレージ32GB、カメラは1600万画素+200万画素。ミッドレンジ機で129.99ユーロ(約1万5000円)はお手頃価格です。今思うと記念に買っておけばよかったと後悔しています。
さてもう1つの珍しい系スマートフォンは、TP-Linkのブランド「Neffos」の製品。こちらも海外展示会ではよく見かけますが、売っているところはなかなか見られませんでした。ルーターを中心に製品展開しているTP-Linkがスマートフォン市場に参入したのですが、やはりブランド力が弱く、苦戦していることは否めません。Wi-Fi 6へのいち早い対応など、TP-Linkらしいスマートフォンをぜひ出してほしいものです。
そのほか気になったのは、ASUSが専用のコーナーを設置して最新モデルを展示と思いきや、「ZenFone 5」や「ZenFone Max」など1世代前のものばかりだったこと。ZenFone 6やROG Phoneを見せれば話題になると思うのですが。
ところでヨーロッパはまだまだフィーチャーフォンも売られています。ノキアだけではなく無名メーカーの製品も多数。2Gの通話とSMS専用機などもまだ需要があるのでしょう。
そんなフィーチャーフォンの中にも、KaiOS搭載の「スーパーフィーチャーフォン」も売っています。今の時代、やはりSMSだけではなくSNSもできなければすべての人とコミュニケーションがとれませんよね。FacebookやTwitterもできて、グーグルマップも利用可能なKaiOS端末はスマートフォンのペアにも最適です。
そして最後にモール内にあるキャリアのお店を探索。ポルトガルにはMEO、Vodafone、NOSの3キャリアがあります。このうちMEOは旧ポルトガルテレコム系で現在はヨーロッパ各国で通信事業を展開するAlticeグループの傘下。そのAlticeグループは自社ブランドのスマートフォンも展開しており、MEOの店舗で販売されていました。
ポルトガルでの人気は不明ですが、メジャーメーカーのスマートフォンばかりになった今、名の知れぬメーカーの製品をみかけるとちょっとうれしく感じました。
「スマホ好き」を名乗るなら絶対に読むべき
山根博士の新連載がASCII倶楽部で好評連載中!
長年、自らの足で携帯業界を取材しつづけている山根博士が、栄枯盛衰を解説。アスキーの連載「山根博士の海外モバイル通信」が世界のモバイルの「いま」と「未来」に関するものならば、ASCII倶楽部の「スマホメーカー栄枯盛衰~山根博士の携帯大辞典」は、モバイルの「過去」を知るための新連載!
「アップルも最初は試行錯誤していた」「ノキアはなぜ、モバイルの王者の座を降りたのか」──熟練のガジェットマニアならなつかしく、若いモバイラーなら逆に新鮮。「スマホ」を語る上で絶対に必要な業界の歴史を山根博士と振り返りましょう!
→ASCII倶楽部「スマホメーカー栄枯盛衰~山根博士の携帯大辞典」を読む
★ASCII倶楽部は、ASCIIが提供する会員サービスです。有料会員に登録すると、 会員限定の連載記事、特集企画が読めるようになるほか、過去の映像企画のアーカイブ閲覧、編集部員の生の声を掲載する会員限定メルマガの受信もできるようになります。さらに、電子雑誌「週刊アスキー」がバックナンバーを含めてブラウザー上で読み放題になるサービスも展開中です。
この連載の記事
-
第731回
スマホ
スマホ世界シェア4位をうかがう「Infinix」から激薄モデルや折りたたみが続々 -
第730回
スマホ
AQUOS R9 proのカメラ周りをドレスアップ! フィルター装着で広がるスマホの楽しみ方 -
第729回
スマホ
激薄折りたたみ「Galaxy Z Fold Special Edition」のケース3種類を試す -
第728回
スマホ
Xiaomi 14Tにフィルター装着できるMagSafeケース、香港の予約特典に登場 -
第727回
スマホ
Galaxyの2025年モデルがいよいよ登場「Galaxy A16 5G」が販売開始 -
第726回
スマホ
1700万円のシャオミ製スーパースポーツEV「SU7 Ultra」を広州モーターショーで見た -
第725回
スマホ
この冬一番の注目スマホ、超薄型折りたたみの「心系天下W25」がサムスンから登場 -
第724回
スマホ
駅名ごとGalaxy! クアラルンプールの「Samsung Galaxy駅」がスゴすぎた! -
第723回
スマホ
レトロデザインが可愛すぎる!? Nokiaケータイ風リュックの良さを知ってほしい! -
第722回
スマホ
iPhone 16発売直後の深セン、中国でも中古買い取りショップと転売が盛況 -
第721回
スマホ
日本と変わらぬ熱気がスゴイ! 中国・深セン版「ポタフェス」に行った - この連載の一覧へ