AMDは2020年2月22日11時より、第3世代Ryzenの低価格6コア6スレッド(6C6T)モデル「Ryzen 5 3500」を日本国内で発売すると発表した。昨年7月に投入されたZen2ベースの第3世代Ryzenは、最大16コアのRyzen 9 3950Xを筆頭に6コアのRyzen 5 3600までが投入済み(Ryzen GシリーズはZen+ベース)だ。しかしOEMや中国/インド市場向けにはRyzen 5 3500や3500Xといった低価格モデルも存在していた。これら安価なRyzen 5は並行輸入や個人輸入という形で入手することもできたが、今回晴れてRyzen 5 3500が国内でも正式取扱となったわけだ。
この理由については明らかにされていないが、実売価格2万6000円前後で流通しているRyzen 5 3600より下のゾーンが手薄になってきたことに対するテコ入れと考えられる。2万円ゾーンより下の市場は、これまでRyzen Gシリーズと旧世代のRyzenがカバーしていたが、Ryzen Gは4コアが上限なうえ、Ryzen 5 2600のようなお手軽感のある6コアモデルの流通量が減ってきている。Ryzen 5 3500の投入はこの価格帯の世代交代を図るための施策であると考えられる。
Ryzen 5 3500の価格は税込1万6148円と、Ryzen 5 3600の実売価格に対し約1万円安く、Ryzen 5 2600の価格帯をほぼ継承する形となっている。Ryzen 3400Gが実売1万9000円前後だが、3400Gに対しては内蔵GPUがないぶん物理コア数が多い、というのがアドバンテージになっている。仮想敵はCore i5-9400Fまたは9400となっており、インテルに対する強烈な価格攻勢ともなっている。
AMDの資料から抜粋。Ryzen 5 3500はCore i5-9400F/9400よりも安く、物理6コアのCPUを提供することがミッションとなっている。低価格帯にもPCI-Express Gen4対応のCPUが投入され始めたのだ
今回筆者はRyzen 5 3500のテスト用サンプルをテストするチャンスに恵まれた。Ryzen 5 3600やCore i5-9400Fに対してどの程度速い/遅いのかざっくりと検証してみた。

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