もはや有線LANは不要!?
Wi-Fi 6対応の5Gのルーターたち
CES 2020ではWi-Fi 6に対応したルーターが数多く出展されていました。それらはもちろん、家庭やオフィスに来ている高速な光回線などをそのまま高速無線化するために利用されます。しかし、5Gの開始とともにもはや光回線を引かずとも高速なネット環境を自宅で構築することが簡単になります。
LTE時代にも家屋向けの4Gルーターが数多く出ていましたが、5GではWi-Fi 6と組み合わせた「入口も出口もギガビット」という「5G高速ルーター」が一家に一台なんて時代になるかもしれません。CES 2020では随所でそんな5G+Wi-Fi 6のルーターが展示されていたので紹介します。
ゲーミングPCのRazerブースに展示されていた5Gホームルーター「SILA」はシンガポールで販売予定の製品です。4Gでゲームをプレーするには回線速度も遅延速度も不安ですが、5Gならば光回線相当、ギガビットも余裕で利用できます。自宅に光回線が無くともSILAを使えば高速通信環境をどこでも得られるのです。なお、SILAにはゲームに特化した機能も搭載されており、たとえばゲームアプリに利用バンド幅を広げる、といったカスタマイズも可能。シンガポール以外での販売も期待したいですね。
ルーターといえばTP-LINKもWi-Fi 6対応製品を出していましたが、5Gを搭載した「5G Home Gatway」を参考展示していました。TP-LINKはLAN関連製品を数多く手がけていますが、5Gの開始により5G内蔵ルーターを早々と製品化しています。TP-LINKらしくWi-Fi 6のアウトプットはトライバンドで4.8Gbps(5GHz x2)+1.2Gbps(5GHz x1)と高速。台湾などで販売予定とのこと。
一方、家電メーカーも5G CPEを出展していました。ちなみにCPEとは家屋向けの通信モデムを搭載した据え置き型製品で、以前はCPEにWi-Fiルーターを接続して利用する形態が一般的でした。しかし、今のCPEは4G/5Gモデムに加えWi-Fiルーター機能も内蔵しており、広義な意味ではCPEもルーターも同じ製品と言えます。
TCLはスマートフォンやタブレットも手掛けていますが、スマートTVやスマートホーム製品も展開しています。5G CPE「LINKHUB」があればへき地でもスマートTVでIPTVの受信ができますし、スマート家電ををスマートフォンと連携することも簡単になります。TCLはCES 2020で5Gスマートフォンも発表しており、2020年はモバイルと固定向けに5G製品を次々と出す予定です。
中国の家電メーカー、Chang Hong(長虹)もスマートホームを意識した5G CPEを展示。中国では2019年11月に5Gが3キャリアで始まり、スマートフォン利用だけではなくスマート家電やIoT向けにも使われようとしています。家電メーカーが5Gルーターを販売することは今後中国では当たり前のものになるのでしょう。
通信モジュールを手掛けるGosuncnはZTEと関連のある企業。同社の5G CPE「GW3000」はオフィスや産業用に利用されることを考えているとのこと。CPEの設置場所を考えると、家庭よりも工場や倉庫などのほうが一般的になるかもしれません。
4Gが始まった頃は通信速度も数十Mpbs程度であり、ルーターはモバイル向けのものが多く出回りました。しかし、5Gでは固定の光回線の代替としても充分なことから、据え置きタイプのルーターが一気に広がっていきそうです。日本でもWiMAX2の置き換えようとしてこれから5Gルーターが数多く出てくることになるでしょう。
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