完全ワイヤレス+ノイズキャンセリングがトレンドに
でも飛行機で使うと、紛失するのが怖い
今年はワイヤレスヘッドフォンのトレンドに、ノイズキャンセリングが乗ってきた、そんな印象でした。AppleがAirPodsにノイズキャンセリングを加えた「AirPods Pro」を登場させ、完全ワイヤレスヘッドフォン+アクティブノイズキャンセリングというトレンドができあがりました。
ワイヤレスヘッドフォンもノイズキャンセリングも、これまでも存在してきた製品でしたが、Appleは初のノイズキャンセリング製品にも関わらず、非常に高い品質の製品をチップレベルから作り込んできた点で、抜け目ないと感じました。
しかし筆者は飛行機での出張の際、AirPods Proは大切にカバンにしまっておくことにしました。というのも、海外に向かう飛行機の中で寝てしまうと、AirPodsのように耳に装着されている小さなヘッドフォンはいつの間にかポロリと落ちてしまい、暗い機内で探さなければならなくなります。
筆者は大抵、飛行機に乗り込んですぐに寝てしまい、そのまま数時間後に目覚めるパターンが結構あるため、耳からこぼれたヘッドフォンの捜索は、ますます困難を極めるわけです。
その一点だけでも、海外出張には完全ワイヤレスではないノイズキャンセリング対応のワイヤレスヘッドフォンを持っていくだけの価値があるのです。
そんななか、ゼンハイザーは2019年11月26日、その品質と性能で高い評価を得たオーバーイヤーヘッドフォンの後継モデルとなる「PXC 550-II Wireless」を発売した。このヘッドフォンを使っての飛行機の旅は、最良の音楽体験でした。
ちょっと不思議なたたみ方
PXC 550は非常に優れたバランスが高い評価を受けたヘッドフォンです。音源に忠実なチューニングを中心に、豊かな中低音とキレのあるリズム、ギターやピアノなども粒が細かい音を楽しむ事ができます。
そのBluetooth版ということですが、より高い音質を楽しむならケーブルをつないで楽しむ選択肢もあります。その場合はノイズキャンセリング機能を活用しても30時間と長いバッテリーライフ。またケーブルもあるため、飛行機のエンターテインメントに接続して楽しむ事もできます。
30時間もの飛行機移動はめったにしませんが、長時間の着用でも疲れにくい点は重要です。耳ごと覆うヘッドフォン型なので、筆者が若干苦手なオンイヤー型のように耳たぶが痛くなることもありません。何より、ヘッドフォンをかけるだけで遮音性がある点は、この方式ならではだと思います。
電源のON/OFFもスマートで、耳から外すと音楽が止まり、ヘッドフォンのカップの部分をねじって「カチッ」と音が鳴るとヘッドフォン自体もオフになります。物理的な操作が電源と連動しているアイディアは、ワイヤレスヘッドフォンのトレンドといえるでしょう。
PXC 550-II Wirelessの収納方法は少し変わっています。左右非対称で、平べったくコンパクトなケースに収納する仕組みです。ちょうど、渦巻のイメージでしょうか。細かい話ですが、ケースの内側には収納方法を示すイラストが描かれており、どのようにすれば治るのか一目瞭然。またイヤーカップ同士がくっつかないように仕切りがケースについており、この辺りはさすが長年ヘッドフォンに取り組んでいるメーカーであることを物語っているようです。
ノイズは強く消せば良いものでもない
PXC 550-II Wirelessはノイズキャンセリングのために4つのマイクを駆使しており、またドライバーも大きいため、より協力なノイズキャンセリング性能を発揮します。
AirPods Proもあの小ささでスッとノイズが消える感覚に驚かされましたが、いっぽうで人の声はよく通す印象があっただけに、PXC 550-II Wirelessのほうが街中での静寂を手に入れやすいと言えます。
しかし、本体にはノイズキャンセリングに関するスイッチがあり、3つのモードが用意されています。ノイズキャンセリングOFF、ON、その間にアダプティブという3つのモードがあります。アダプティブでは、ノイズキャンセルのレベルをアプリから操作可能。
もう一つ便利なのが、トークスルー。いやーカップの表面にあるタッチセンサーをダブルタップすれば、外部の音を取り込むことができます。
と、このヘッドフォンが強力なノイズキャンセル性能を誇ることを説明してきました。しかし、ここでノイズが消せることが本質ではない、というゼンハイザーの考え方に触れることになります。
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