●勝算は「炊飯器」にあり?
「日本でスマホの勝算はあるのか」というストレートな質問に対して、Steven Wang氏は予想外の変化球を返してきた。
「我々はエコシステムを提供している。日本のユーザーにはライフスタイル全体で小米を知ってほしい。モバイルバッテリーやスーツケース、炊飯器。特に炊飯器は日本市場には関係の深い商品であり、ぜひ手にとってほしい」
「中国メーカーの炊飯器なんて」とお思いの人も多いだろう。炊飯器は家電の中でも特に日本のメーカーが技術力を争う分野である。釜の材質から、炊き方、保温の仕方など、家電メーカーが日々知恵を絞り、技術を投入し、新製品を開発している。そんな激戦区に中国メーカーが割って入ることができるのか。
「うちには三洋電機出身で日本人のエンジニアがいる。IH炊飯器を発明した人物だ。うちの炊飯器はすでに60万台ほど売れている。釜の厚さにこだわり、米に熱が均等に伝わり、早くふくらむ。炊飯器はWi-Fiに対応し、スマホ連携もある。炊飯器はご飯の硬さを自動的に記憶してくれて、好みによって調整できるのが売りだ」(Steven Wang氏)という。
もうひとつ、Steven Wang氏がプッシュしてきたのがスーツケースだ。
「大手スーツケースメーカーが発注している工場と同じところで作っている。そのため、品質は大手と同等だ。しかし、価格は大手の半分、3分の1、6分の1のときもある。旅行好きな若者がこぞって買い、その良さをクチコミで広げてくれている」
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