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EMURGO Japan 吉田社長に聞く

カルダノのブロックチェーンをゲームとニューバランスの真贋保証に応用

2019年11月18日 06時00分更新

文● ASCII

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 ブロックチェーンは仮想通貨を支える技術だが、その応用は広がりつつある。オープンソースのブロックチェーン・プロジェクトであるカルダノ(Cardano)の商業利用を進めている、株式会社EMURGO Japanの代表取締役社長 吉田洋介氏にお話を伺った。

ブロックチェーン技術はゲーム業界と相性がいいのか

── EMURGOではゲーム業界へのブロックチェーン利用を推進していくと聞いています。

吉田 前提として、カルダノ(Cardano)はオープンソースのブロックチェーン・プロジェクトで、特定の業種にターゲットを絞った技術ではありません。様々な業種が対象となりますが、そのスピード感は異なります。その中で、ゲーム業界は費用対効果が比較的見やすく、導入が進みやすい業種だと考えています。

 ブロックチェーンはこういう使い方ができると示すうえでの分かりやすさがありますし、ゲーム開発は投資規模も大きく、短期間での回収もしやすいため、ブロックチェーンの導入が、現実的な取り組みになりえるでしょう。

 EMURGOは、Korea Blockchain Contents Association(KBCCA、100社ほどが加盟)やKorea Mobile Game Association (KMGA、800社ほどが加盟)と覚書を交わし、韓国のデジタルコンテンツおよびモバイルゲーム業界にブロックチェーン技術を普及させていきたいと考えています。数ヵ月後にはPoC(Proof of Concept)やその前段階として形が見えてくると思います。

── 具体的にどんなゲームが出てくるのでしょうか?

吉田 NFT(Non Fungible Token)の仕組みを使い、トークンに置き換えたキャラクターやアイテムをやり取りするのが一般的です。有名なところでは、猫のキャラクターを交配して取引する「Cryptokitties」(クリプトキティ)や育成バトルゲームの「Etheremon」(イーサエモン)などがあります。この仕組みを使うと、別のゲームに同じキャラクターを引きつぐといった、従来のゲームの制約を超えた交換ができ、ゲームに無限の流動性を引き出せると思いますし、まさにこの点が注目を集めています。

── 韓国市場から始めた理由は?

吉田 韓国では、ゲーム内のアイテムをユーザー間でトレードするプラットフォームがありますが、ゲームシステムの外にあるフリマサイトで個人売買をする、半分アナログなシステムになっています。ゲームシステムの中に組み込まれてはいないため、売買したアイテムが本当に届けられたかを追えず、詐欺などが発生する可能性もあります。ブロックチェーンを導入することで、この取引を追跡し、正しくやり取りができたかを知ることができます。

── 日本での感触は?

吉田 みなさん興味は示してくれます。日本にも「マイクリプトヒーローズ」や「くりぷ豚」といったブロックチェーンを扱ったゲームのスタートアップ企業が存在しますし、11月19日には大手ゲーム業界の方も参加するミートアップも予定しています。ただし、強いIP(Intellectual Property)を持つ、中規模以上の企業に限って言えば、韓国のほうが積極的な印象があります。(付き合いを通じた限られた範囲の話ではありますが)日本ではまだ普及には時間がかかると考え、様子見しているケースが多いように感じてます。規模が大きなタイトルになればなるほど、事例や普及が増えてからの導入でも遅くはないという考え方です。

── 他のブロックチェーン技術にはないカルダノのメリットは?

吉田 カルダノの特性のひとつに、スケーラビリティの高さがあります。クリプトキティが2017年ごろに流行した際、猫のキャラクターのやり取りが、イーサリアムのトランザクションの大半を占めることになり、ほかの取引に影響を与えた点が問題となりました。当然、その後の改良に取り組んでいるでしょうが、カルダノは当初からこの点にフォーカスした技術になっています。

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