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Plug and Playイベントで発見、電源不要IoT宅配ボックスやEV向けチップ

Plug and Play Japan Summer/Fall Summit 2019レポート

Plug and Play Japanのピッチイベントが開催

 大手ベンチャーキャピタルの日本支社であるPlug and Play Japanでは、コーポレートパートナー企業とともに、国内外のスタートアップをグローバルレベルのスタートアップへと支援していく約3ヶ月のプログラムを実施している。

 9月に開催されたSummer/Fall Summit 2019では、2日間合計60社以上のスタートアップ企業がピッチを実施した。本稿では、ピッチ会場に併設された展示スペースの模様をレポートする。

Edgetensor Technologies Inc
感情を読み取る顔認証システム

顔が映ると、瞬時に感情を読み取ってくれる

 Edgetensor Technologies Incのブースでは、小型のカメラを用いた顔認証システムを展示。同社はアメリカに本社を置くスタートアップ企業で、クロスプラットフォームでハードウェアに依存しない独自開発のニューラル推論エンジンを開発。さまざまなハードウェア・アーキテクチャで動作するAIアプリケーションに搭載して提供している。

 展示されていたデモでは、顔が認識されると、眉毛、目、鼻、口といったパーツの位置や動きを解析し、瞬時に感情を表示。無表情では「neutral(ニュートラル)」のパラメーターが強く出たり、驚くと「surprise」のパラメーターが強く出たりと、リアルタイムで感情が解析される。

 同社ではこの技術をもとに、ドライバーおよび車室内モニタリング、車載コンテンツのスマート管理、小売分析、映像セキュリティ分野においてソリューションを提供している。

Silicon Mobility
電気自動車向け制御システム

OLEA T222を使った電気自動車制御のデモ

 Silicon Mobilityは、車載向けのマイクロコントローラー「OLEA T222」を、モーターのデモ機と合わせて展示。OLEA T222は、CPUにARM Coreとプログラマブルロジックエリアを採用しているコントローラー。電気自動車やハイブリッド車のモーター、コンバーター、バッテリー充電をリアルタイムで制御し、エネルギー効率を高める目的で車載される。

 OLEA T222はEVパワートレイン制御をプログラマブルロジックエリアで制御できる点が大きな特徴。ハード、ソフトの仕様に合わせてプログラムを変更できるほか、製品リリース後のバージョンアップにも対応しやすい点が特徴。電気自動車時代に向け、普及が期待される製品だ。

クオンタムオペレーション
血中酸素飽和度を計測

光センサーによる血糖値の取得を可能にしたデバイス

 株式会社クオンタムオペレーションは「ウェアブルウォッチ型非侵襲複数バイタルデータ取得センサー」を展示。心電図、血圧、心拍数の計測に加え、血糖値を取得する機能を持つデバイス。従来のウェアラブルデバイスでは難しかった血糖値の取得を、光センサーを用いて可能にしているという。

 現在同社では、検証を重ね、医療機器認定の取得を目指しているという。血糖値を測るためには、従来、血液を採取する必要があった。自宅で指先から少量の血液を採取して血糖値を測れる器具もあったが、同社の機器が普及すれば、より手軽な計測が可能になるだろう。

株式会社アジラ
行動認識ソリューション

 株式会社アジラのブースでは、ディープラーニングを活用した画像認識技術を展示。同社は、Summer/Fall 2019 BatchのMobility 部門で「EXPO Domestic Winner」を受賞している。

 同社は「畳み込みニューラルネットワーク」と「再帰的ニューラルネットワーク」など、ディープラーニング技術を組み合わせて採用することで、より複雑な人物または動体の行動予測ができるという仕組みをソリューションに採用。

 映像から人物の関節情報のアノテーション(教師データの作成)を実施し、人物・個体の関節の時系列での変化情報を検出するフェーズと、構築されたモデルと独自の個体識別技術を組み合わせることで行動予測を行なうフェーズを分けて実施することで、エッジデバイス上でも正確な推論が可能になるという。また、特殊なセンサーなどが必要ないのも特徴。

 すでに多数の大手企業をクライアントに持つ同社の技術。セキュリティーやヘルスケアの分野での活躍が期待される。

株式会社マッシュルーム
電源不要のIoT宅配ボックス

 株式会社マッシュルームは、ネットワーク・電源不要のスマホ制御型スマート宅配ボックスを展示。大きな特徴は、内蔵するソーラーパネルで発電し、電源に接続しなくても動作し続ける点。また本体にはLTEやWi-Fiによる通信機能を持たず、宅配ドライバーが所持するスマートフォンが近づくと、Bluetooth経由で認証され、開閉ができるという仕様だ。

 宅配ボックスとして集合住宅や小売店に販売・設置するだけでなく、物流ハブとしてのプラットフォーム化も目指す。買い物代行やデリバリー、宅配クリーニング、洗濯、個人間売買などの事業者に開放することも検討しているそうだ。

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