本格化する国内のサブスクリプション導入を見据えた新サービス
複雑なサブスクのカスタマイズを容易にするZuora Central Platform
2019年10月16日 17時00分更新
2019年10月16日、サブスクリプション管理を手がけるZuoraは「Zuora Central Platform」を発表した。ワークフローやイベント通知、データモデルなどをカスタマイズし、複雑化しつつあるサブスクリプションサービスの管理を容易に行なえるようにする。
サブスクリプションにまつわる処理をユーザーごとにカスタマイズ
Zuoraはグローバルで1000社以上が導入するサブスクリプション管理サービス。同社のZuora Centralは価格設定や見積もり、契約管理、請求、料金回収、会計、レポートなどをアプリケーションとして提供し、ユーザー企業のサブスクリプションサービスを支援する。
今回新たに発表されたZuora Central Platformはサブスクリプションビジネスのカスタマイズや統合、拡張を実現するプラットフォームになる。従来、Zuora CentralはCRMとERPを仲立ちする形でサブスクリプションの処理を行なっていたが、処理が複雑化していることもあり、カスタマイズが難しかった。Zuora Central Platformは、ユーザー企業のビジネスモデルに応じてプロセスや連携(インテグレーション)、データモデルを自由にカスタマイズできる。
具体的には、サブスクリプションでのオペレーションをコーディングなしで自動化できるワークフロー、すべてのサブスクライバーのイベントキャプチャと通知、汎用SQLを用いたデータクエリ、顧客ごとの独自データモデルを設定できるカスタムオブジェクトなどをの機能を持つ。条件付きのロジックやルールを活用してワークフローをカスタマイズしたり、既存のフレームワークやワークフロー、APIを用いて業界に特化したシステムを統合したり、データモデルの拡張により、ユニークなサブスクリプションを管理できる。具体的には「支払期限を過ぎたサブスクリプションを解約する」といった処理をGUI環境から構築し、処理を自動化できるという。
イベントのために来日した米Zuoraのティエン・ツォCEOは、「Good Bye Ownership, Hello Uership」というタイトルで、サブスクリプションビジネスについて講演。ツォCEOは米国ですでに大きな影響を持つ近藤麻理恵(こんまり)氏を引き合いに、所有から利用に嗜好が変化する日本人の動向を紹介した。また、出荷台数が減っているにも関わらず、走行距離が伸びつつある自動車業界や、いよいよAirBnBがヒルトンホテルの売上高を抜いたホテル業界、広告モデルから購読モデルに切り変わりつつあるメディア業界などを紹介し、サブスクリプションへの不可避な流れをアピールした。
日本でもサブスクリプションサービスの導入は加速しており、特にトヨタが展開する「KINTO」は大きなインパクトがあったという。発表会では「ダイヤモンドオンライン」のサブスクリプション事業にZuoraを採用したダイヤモンド社と、「クラウドサイン」のバックエンドで長らくZuoraを使ってきた弁護士ドットコムがサブスクリプションサービスとZuora採用について語った。