リアルフードにこだわるFoodTechでのサーバーレス
おやつのサブスク「snaq.me」でのLambda活用術
2019年09月04日 07時00分更新
2019年4月23日の第7回X-Tech JAWSは「平成最後のクラウド力アップ大作戦!!」がテーマ。令和直前ということで「『平成最後の』って言いたいだけじゃんw」というタイトルだったが、今回もFoodTechからEditTech、EdTechなど幅広いAWSが活用例事例が大集合だ。トップバッターはおやつのサブスクを展開するスナックミーCTOの三好 隼人さんが登壇した。
製造から発送まで一貫して手がけるスナックミー
FoodTech代表として登壇したスナックミー。JAWS DAYSやAWS Summitまで講演回数も増えている三好さんは建築出身からITに飛びこんだエンジニアで、スナックミーの創業メンバーでもある。今回は「素早くおやつの新ブランドを立ち上げるためのLambda活用法」というタイトルで、X-Tech JAWSらしくビジネス+テックの両面で20分の講演を行なった。
「おやつのサブスクリプションBOX」を謳う「snaq.me(スナックミー)」は月額1980円で100種類の中から8種類のおやつがセレクトして届けられるというサービス。おやつの種類も、ドライフルーツ・ナッツ、焼き菓子、チップス、チョコ、フルーツなど豊富で、おいしいだけではなく、自然素材(リアルフード)にもこだわっているという。また、製造から発送準備まで一貫して行なっているのも特徴だ。
snaq.meもサービス開始から2年半が経ち、最近は新ブランドも立ち上げている。昨年の9月に発表された「CLR BAR」は原材料が7種類だけという植物性プロテインバー。また、ドライナッツのみの「Snaql」や肉・塩・こしょうのみを使った「JQ」というジャーキーなど、半年で3つもブランドを立ち上げたという。
スナックミーが考えるLambdaを使うべき条件とは?
さて、snaq.meは、ユーザーのリクエストに対して、適切な商品を割り当てることで顧客満足度を高めるサイクルを重視している。「おやつ診断で、ユーザーからの評価や好みを学習して、おやつをセレクトしている」(三好さん)とのことで、おやつの決定を自動化する「アサインシステム」が特に重要になるという。このアサインシステムではLambdaをメインに用いており、手に負えない場合はAWS Batchを使っている。また、ユーザーとのLINEのやりとりで、PUSHを使う場合はLambdaで対象条件を絞り込んでいる。
三好さんはLambdaの利用条件として、まず「1日1回程度しか起動されない」ことを挙げた。商品アサインやLINE Push、あるいは誕生日での連絡などだ。また、決済ユーザーの一覧を通知するなどSELECTオンリーの条件選択、あるいはリアルタイムじゃなくてよい場合はLambdaを使うべきだという。わざわざバッチサーバーを立てるより、安価で容易というのが感想だ。
続いて三好さんはLambdaと複数のLambdaをつなぎあわせられるStepFunctionsの「万能さ」もアピール。「さまざまなサービスと統合でき、ワークフローがサーバーレスで作れる。記述およびメンテナンスのコード量も削減でき、他で使い回せる点がありがたい」とベタ褒めする。
そして、そんな三好さんにとって、複数のファンクションでコードを共有できる「Lambda Layers」は昨年のre:Inventでも特にテンションの上がる発表だった。三好さんは「開発スピードは上がるし、パッケージを共通化できたり、カスタム関数をまとめられるというのは、レイヤーがあることで初めて実現できる」と語り、クラスメソッドのブログを見ながら試行錯誤を繰り返しているという。
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