iPhoneの「買い方」を巡る状況に注意
次なる課題は、日本のようにiPhoneのシェアが高い国で、「今年のiPhoneに買い換えもらえるか」という「懐の問題」になる。携帯電話の割引販売については、10月1日からスタートする「分離プラン」導入をにらみ、アップルと携帯電話事業者、総務省の間で綱引きが続いている。
ソフトバンクやKDDIの施策を見るに、「48回の分割で買い、2年で買い換える場合には残りの残債を本体の買い取りと割引きで相殺し、実質的に半額で購入する」というやり方は、当面継続するようだ。
iPhoneは他のスマホに比べ中古買い取り価格が高い傾向にある。そのため「後日古いモデルを売ることを前提に買い換えていく」形はアリで、iPhoneの発表会でもわざわざそのことが言及されていた。
「他のスマホより買い取り価格が安定している」という条件がいつまで続くかはわからない。だが、少なくとも今年・来年に状況が激変するとは思わない。
その点をどう考えて買うか、思案が必要だ。
西田 宗千佳(にしだ むねちか)
1971年福井県生まれ。フリージャーナリスト。 得意ジャンルは、パソコン・デジタルAV・家電、そしてネットワーク関連など「電気かデータが流れるもの全般」。主に取材記事と個人向け解説記事を担当。朝日新聞、読売新聞、アエラ、週刊東洋経済、月刊宝島、PCfan、YOMIURI PC、AVWatch、マイコミジャーナルなどに寄稿するほか、テレビ番組・雑誌などの監修も手がける。近著に、「ソニーとアップル」(朝日新聞出版)、「ソニー復興の劇薬 SAPプロジェクトの苦闘」(KADOKAWA)などがある。
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