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ロードマップでわかる!当世プロセッサー事情 第525回

Comet Lakeは事実上Coffee Lake Refresh インテル CPUロードマップ

2019年08月26日 12時00分更新

文● 大原雄介(http://www.yusuke-ohara.com/) 編集●北村/ASCII.jp

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Coffee Lake Refresh Version 2といえる
Comet Lake

 次に21日に突如追加されたComet Lakeについてだ。まず素性の話からだが、動作周波数的には既存の14nm++ベースの製品らしい特性である。そして最大6コア、L3 12MBという構成があるあたりは、Coffee Lakeベースではないのか? という気がする。

Coffee Lake-Uの構成図

 ただすでにCoffee LakeはUシリーズ向けにも出荷されている。この既存のCoffee Lakeと今回のComet Lakeの違いは以下のとおり。

TDP枠の違い

 Coffee Lakeは一部15Wの製品もあるが、基本28W(cTDP Downで20W)である。またTDP 7WのYシリーズはラインナップされていない。これに対してComet Lakeは定格15W(Yシリーズは7W)となっている。これに応じて、ベースクロックは相応に下げられている。

コア数の違い

 既存のCoffee Lakeは4コア/8スレッドが最大だったが、今回6コア/12スレッド製品が追加された(TDP 15WのUシリーズのみ)。ただ当然これを15W枠で実現する以上、ベースクロックは低くなっている。

Intel Adaptix Technologyの搭載

 Ice Lakeには第2世代のIntel Dynamic Tuningが搭載されている。これは機械学習をベースに、ギリギリまで動作周波数を引き上げる技術であるが、これに近いものがComet Lakeにも実装されている模様だ(完全に同じものかどうかは確認できない)。

Intel Dynamic Tuning 2.0。機械学習を利用して、より長時間高い動作周波数を維持できるようにする仕組みだ

 ただこれは新たな回路を実装、というよりも電力管理周りのファームウェアをアップデートしてこれを実装、という風に見える。

対応メモリーの強化

 Coffee LakeはDDR4-2400およびLPDDR3-2133の対応だったが、Comet LakeはDDR4-2666およびLPDDR3-2133の対応に若干だが強化されている。

OPC(On Package Cache)の削除

 Coffee Lake-Uでは、GPU性能の強化のためにOPCとして128MBのeDRAMが搭載されている。このため、Coffee Lake-UのGPUはIntel UHD Graphicsではなく、Intel Iris Plus Graphics 645/655として分類されている。Comet LakeではこのOPCが削除されており、Intel UHD Graphics相当となっている。

Wi-Fi 6の搭載

 Coffee Lake-UではWi-Fiは外付けモデムを利用する構成だが、Comet Lakeでは搭載するIntel 400シリーズチップセットの中にWi-Fi 6対応のAX201モデムの機能が搭載されている。

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