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ロードマップでわかる!当世プロセッサー事情 第525回

Comet Lakeは事実上Coffee Lake Refresh インテル CPUロードマップ

2019年08月26日 12時00分更新

文● 大原雄介(http://www.yusuke-ohara.com/) 編集●北村/ASCII.jp

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Thunderbolt 3コントローラーは
Comet Lakeには内蔵されない?

 ちなみに第10世代CoreにComet Lakeを追加というニュース記事でジサトライッペイ氏はThunderbolt 3も統合されていると説明しているが、これは間違いではないかという気がする。

 というのは、確かに記事内のスライドを見ると400シリーズチップセットからThunderbolt 3が出ているように見えるのだが、スペック比較表では、Ice Lakeには“Integrated, Up to 4 Thunderbolt 3 ports”とあるのに、Comet Lakeでは“Integrated”が省かれているからだ。

Ice LakeとComet Lakeの違いをまとめた表。Comet LakeではUSB Type-Cの項目にあるThunderbolt 3から“Integrated”が省かれている

 おそらくは、「外付けでThunderbolt 3コントローラーを搭載することをサポートする」の意味と思われる。連載514回でも指摘しているが、Thunderbolt 3のコントローラーはけっこう大きい。

 Sunny Coveコア1個分より大きく、ほぼ1.5コア分近くある。これをチップセットに入れる(=14nm++プロセスで製造する)ということは、Coffee Lakeコアベースで2コア分くらいの面積をそれだけで食ってしまうことになる。これはさすがに400シリーズチップセットには入りきらないだろう。

 ということで、ここまでの特長でおわかりのように、Comet Lakeは事実上Coffee Lake Refreshとでもいうべきものになる模様だ。

 もっともデスクトップ向けの8コアCoffee LakeがそもそもCoffee Lake Refreshであり、Comet Lakeはコアを増やさずに機能を増やす方向に行ったので、Coffee Lake Refresh Version 2とでも呼ぶべきなのかもしれない。どちらにしても基本はCoffee Lakeの延長にあると思われる。

 こうなるとデスクトップ向けのComet Lakeも、基本はコア数を増やすのと、対応メモリーの強化(DDR4-3200の公式サポート?)、それとIntel Adaptix Technologyの搭載程度が主な違いで、400シリーズチップセットもWi-Fi 6の搭載以外は大きな差はないだろう。

 連載514回でComet Lakeについて「この世代は最大10コアになるが、その代わりハイパースレッディングが無効化される」と書いたが、現にComet Lakeがハイパースレッディングを有効にして出荷されているので、このあたりは方針の変更があったのかもしれない。

 一応構成は少し見えてきた感はあるが、これで第3世代のRyzenと戦うのはかなり厳しいだろうなぁ、というのが筆者の偽らざる感想である。

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