矢野経済研究所は8月22日、2018年度のプリンター世界市場調査をもとに、各種出力機器の出荷台数・出荷金額などを発表した。調査期間は4月~7月で、調査対象はプリンターメーカー、販売店/パートナー、各種部材メーカー。調査方法は同社専門研究員による直接面接取材、電話やメールによるヒアリング併用。
2018年度のプリンターの世界出荷台数は、前年度比98.9%の9589万台、出荷金額は同99.0%の5兆5741億円。出荷台数では、引き続きコンシューマ向けプリンターの需要が減った影響が大きく、全体の出荷台数が伸び悩んだという。一方で、オフィス向けプリンターは新興国を中心に需要が増加し、ページプリンター(中〜低速)と、MFP(複合機/複写機)の出荷台数が微増した。
2018年度の中速インクジェットプリンター世界出荷台数は、前年度比106.8%の5790台、出荷金額は同105.2%の181億円と順調な推移だった。なお、中速インクジェットプリンターは印刷速度が約70~160枚/分のインクジェットプリンターを指す。主に理想科学工業、セイコーエプソン、日本HP、キヤノンの製品が対象とのこと。
2019年度は米中貿易摩擦の激化や、中国の金融政策の引き締めなどによって、世界経済が減速する見通しだという。プリンターの新規導入を期待できる地域では、ユーザー企業の導入意欲は減退するため、出荷台数の回復は期待できないとした。
一方で、産業向けプリンターは数年続いた好調が落ち着き、機器リプレイスの需要が増加する見込みで、出荷金額ベースは若干の伸びが期待できるとする。2019年度のプリンター世界出荷台数は、前年度比98.9%の9484万4000台、出荷金額は同100.2%の5兆5865億円になると予測している。