NECのPCはイノベーションの歴史
当時は、まだコンピューターを使っていない会社が多く、個人がコンピューターを持つことが想像できなかった時代である。
「PC-8001が登場したことで、日本でも個人がコンピューターを使う時代がやってきた。日本でパーソナルコンピューターという言葉が使われたのは、PC-8001が最初。それからNECは、次から次へと新たなものを作ってきた。世界初のカラー液晶搭載PCや世界初の水冷PC、すべてをワイヤレスで結んだPCなど。NECのPCは市場をリードし、イノベーションの歴史であった。日本の家庭のなかには、常にNECのパソコンがあった」とする。
そして、「新たなものに挑戦するDNAは、いまに受け継がれている。2019年には、世界初の電源をシャットダウンした状態から音声で起動できるPCや、カーボンとマグネシウムリチウムを採用した超軽量モデルを発売した。これは、PC-8001から続いているNECの技術者魂によって、作ったものである」とする一方、
「ここまで品質にこだわり続けてきたPCメーカーはない。前職のAMDに在籍していたときには、世界中のPCメーカーの工場を見てきたが、NECがなぜそこまで品質にこだわるのかがわからなかった。だが、品質にこだわり、妥協しないことの大切さを、いまでは強く実感している。だからこそ、NECPCとレノボ・ジャパンは、日本でトップシェアを維持し続けている」とする。
40年間に渡る挑戦の連続と、こだわり続けた品質は、これからも維持していくとする。
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