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ロードマップでわかる!当世プロセッサー事情 第524回

第2世代EPYCの優れた価格競争力 AMD CPUロードマップ

2019年08月19日 12時00分更新

文● 大原雄介(http://www.yusuke-ohara.com/) 編集●北村/ASCII.jp

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第2世代EPYCの導入で
総保有コスト(TCO)を削減できる

 HPC以外のワークロードとしては、Twitterの社内のサーバーを第2世代EPYCに更新したことで、同じ消費電力/冷却能力のままコアの数を40%増やせたという事例が紹介された。

Twitter社のサーバーを第2世代EPYCに更新したことによりTCOを25%削減できたとしている

 そのほかにも、オンラインショップ向けのバックエンドをXeon 8280×120とEPYC 7772×66で構成した場合、同等のJava処理性能をはるかに少ないTCOで実現できるという。

写真では42サーバーしかないあたり辻褄はあってないのだが、要するにイメージである

こちらは23サーバーに減っており、さらに辻褄があわない。それはいいのだが、83%のMore Performanceはどこから出てきたのだろう?

 それこそオンプレミス向けに2500コア程度のシステムを2ソケットXeonと1ソケット EPYCでそれぞれ構築した場合、まずCPUの数が1/4に減るのでソフトウェアライセンスコストが75%削減でき、消費電力が61%削減(サーバー1台当たりの電気代はXeonが年額1047ドル、EPYCが818ドルで若干下がっている程度だが、台数が半減しているのでトータルで61%減となる計算)、サーバー数を半減したことでラック数を半減できるので、キャビネットのレンタル料も半減する。

こちらは、Xeon Gold 6242(16コア)×2ソケットのサーバーを80台並べた構成を想定したそうだ

こちらはEPYC 7702P(64コア)の1ソケットサーバーを40台とした構成とのこと

 3年間のTCOを比較すると、Xeonの構成が343万9876ドル、EPYCの構成が159万699ドルと試算され、TCOがざっくり半分以下になる、と想定されるそうだ。

 もともと価格性能比の良さは第2世代EPYCの大きな売りであり、実際講演のなかでも1ソケットEPYCと2ソケットのCascade Lakeがほぼ同等の性能であることや、同じ価格帯で比較すると性能が2~4倍であるとアピールしていた。

1ソケットEPYCと2ソケットのCascade Lakeがはほぼ同等の性能。縦軸が性能で、これはSPEC CPU 2017の中のSPECRate2017_Int_Peakの数値を取ったものである

1000ドル未満の比較。この時点ですでにコアの数が倍になっており、性能比2倍でも不思議ではない

2000ドル近辺の比較。1783ドルのEPYC 7402ではコア数24なので、こちらと比較してもよかったかもしれない

ハイエンド比較。このハイエンドはインテルの場合、最大メモリー容量1TBの8280が1万9ドル、2TBの8280Mが1万3012ドル、4.5TBの8280Lが1万7906ドルと、容量の違いで8000ドルもの開きがあるため、どれと比較するかは難しいところだ。仮に8280Lと比較した場合は5.5倍、8280と比較した場合は3倍となる

2000ドル近辺とハイエンドの間をもう少し区切ってみた。一番接戦なのが8000~10000ドルのレンジだが、そもそもEPYCはハイエンドでも7000ドル弱なので、どれと比較してもうまくない気はする

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