Modern Stanbyの快適性とバッテリー駆動時間を両立
また、Windows 10のModern Stanbyをより快適に使える仕組みも取り入れた。従来のS3スタンバイよりも、高速に復帰できる点(従来の3.7秒に対して1.3秒)が特徴だ。
ただし、Modern Stanbyでは、高速起動を実現するために、スリープ状態でもシステムがオンの状態になり、ネットワーク接続も維持される。また、指紋認証を使った復帰、スリープ時でのデータ同期、音声操作の待ち受けなどもする。結果、待機電力が増えてしまうのがデメリットだ。第3世代のX1 Yogaで実測したところ、従来スタンバイでは一晩で3.2~2.7%のバッテリー消費で済んでいたところが、10.5~4.2%と3倍近い減りになるという。
そこでバッテリー残量を維持するための技術も取り入れた。この機能が「Lenovo Smart Stanby」だ。システムのスリープと復帰を頻繁に繰り返して使う昼間は、Modern Stanbyを有効にし、逆に本体をあまり使用しない夜間は休止状態にする。こうして、翌朝あるいは週明けにパソコンを起動して仕事を再開しようとしたら、バッテリーがほとんど残っていなかったという状態が起きにくくしている。
どの時間帯を昼間と夜間に設定するかはユーザーが決められる。モデルケースとして示されたのは、金曜日の夜10時に作業を終え、月曜日の朝9時に出社して仕事を再開するというもの。Modern Stanbyにしたままでは、週明けまでに33%もバッテリーが減ってしまうが、夜11:30から朝8:30までを夜間に設定し、さらに土日は休止状態に入るようにしておくと、3%程度の消費(97%電池が残っている状態)で済む。また、仕事に復帰する前に休止状態からModern Stanbyの状態に戻しているので、起動の遅さも感じない。なお、2019年モデルでは、2018年モデルよりも休止状態時のバッテリー消費も抑えている。同じ仕組みを使っても2018年モデルは8%もバッテリーが消費されていたそう(92%電池が残っている状態)なので、かなりの改善だ。
軽量化、狭額縁化でデザインの洗練度が素晴らしい
2019年モデルとしてリリースされた第7世代X1 Carbonでは、新しいカーボン柄の天板の採用に加え、筐体を14.9mmと6%薄型化、重量も40g軽量化した。一方、第4世代のX1 Yogaでは筐体をThinkPadシリーズとしては初のアルミ削り出しとして15.2mmと11%薄型化、またタッチガラスの厚さも27%削減し、全体で17%の小型化、70gの軽量化を果たした。