意外に知らないことも明らかになった!
7777でフィーバーに!?「ファイナルファンタジーXIV: 漆黒のヴィランズ」ベンチマークインタビュー!
2019年06月07日 13時00分更新
●DirectX 9の非サポートについてなど
アスキー編集部:紅蓮のリベレーターのベンチマークと比べて30秒程度長いようですが、描画負荷的には重くなったのでしょうか。それともまったく同じぐらいですか?
FFXIV開発:いえ、シーンの長さそのものと、描画負荷には直接関連性はありません。
アスキー編集部:6分30秒というのはベンチマークとしては長い部類に入ると思うのですが、もう少し実行時間を短くすることはできなかったでしょうか。
FFXIV開発:開発担当者としては、カットシーンの制作コストやスコア調整のための繰り返しチェックの観点から短めにしたいという思いがあるのですが、一方でベンチマークソフトの各シーンは新しい拡張パッケージの新情報出しや、店頭で再生されることによるプロモーションも兼ねていることから、このベンチマークの“尺”に関しては、毎回RP要件とソフトウェア要件のせめぎ合いになっています。
アスキー編集部:では、32bit OSやDirectX 9へのサポートがなくなったことによって、ベンチマーク開発において、開発時間の短縮が図れたなど影響はありましたか?
FFXIV開発:32bit OSに関しては、紅蓮のリベレーターの時点で推奨環境から外していましたので、ベンチマークも対応していませんでした。そのため開発面では特に影響はありません。
一方でDirectX 9ですが、こちらは様々な部分でDirectX 9が必須になっていた部分をDirectX 11に置き換える、または処理を外すといった対応が必要となりました。また、ミドルウェアのライブラリの変更なども生じたため、実は対応コスト的には減るのではなく増えています……。実のところ、DirectX 9関連の除去対応は、リリース直前のギリギリまで掛かってしまいました……。
アスキー編集部:ベンチマークの各シーンで、ここをユーザーさんに見て欲しいといったシーンはありますか?
FFXIV開発:プレイヤータウンとなる「クリスタリウム」でキャラクターが多数入り乱れて負荷を掛けるシーンや、その後の大規模バトルシーンです。キャラクターの配置から演技まで、非常に細かい作業を粘り強く行なっています。また、大規模バトルシーンでは、多数のキャラクターを同時演技させながら、各ジョブのアクションをできるだけ1カットで見せるように演出しています。カットシーンチームの努力をぜひご覧ください。
アスキー編集部:そのほか、ベンチマーク開発における苦労した点がありましたら教えてください。
FFXIV開発:先ほどのとおり、全体としてまずカットシーンを作ってから、描画負荷の設計とスコアの調整を行うという流れにになります。そのため、ベンチマーク開発において並列化できる作業が少なく、スケジュール的にはあまり余裕のない進捗となってしまいました。
また、絵として映えるようにしたうえで、さらに描画負荷が適切に掛かるようにキャラクターを配置する必要があり、その部分も手間が掛かっています。そのほかは先ほどのとおり、DirectX 9関連の対応が地味に大変でした。あとはキャラクタークリエイトパートの新種族対応でしょうか。
ただ、ベンチマークは多くの人の目に触れる機会があることから、苦労はありつつも、携わったメンバーとしてはやりがいもありました。ぜひ、いろいろなキャラクターを作成し、様々な環境で計測に利用してみていただければと思います!
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漆黒のヴィランズ ベンチについて、、筆者を含めて多くのユーザーが、DirectX 9のサポートがなくなっただけと思っていたのではないだろうか。しかし、実はDirectX 9の部分をDirectX 11で置き換えた純然たるDirectX 11ベンチマークとして仕上がっている点には驚いた。
また、吉田氏の指示のもと、各シーンの設定が行なわれ、そこに負荷を増やしていくという開発工程も、ベンチマークの各シーンがストーリー性があるようにも見受けられる点から“あぁなるほど”と非常に合点がいく内容だ。FFXIV漆黒のヴィランズのリリースまで1ヵ月を切ったが、それまでに漆黒のヴィランズ ベンチを利用して、快適にプレイできる環境を構築したいところだ。