カラープリンターは、すべての色のインクカートリッジを入れなくてもさまざまな色を印刷することができますが、一体なぜなのでしょうか? この謎について説明するために、お家にあるもので簡単に実験できるプログラムをご紹介します。本実験は、アメリカのカリフォルニア大学にて実施したSTEM(Science,Technology,Engineering,Mathematicsの略)プログラムで、現地の中高生にも人気が高かったものです。
今回は、日本で手に入る材料で、より小さなお子さまがお家で簡単に楽しめるようにアレンジした実験方法や原理について詳しくお届けしたいと思います!
色を混ぜることでほかの色をつくることができる
お家で使うカラープリンターのインクの部分を開けてみると、以下のインクカートリッジが入っています。インクがなくなって取り換えるときに、購入してセットしたことがある方も多いのではないでしょうか?
インクカ-トリッジにはそれぞれM(マゼンタ)、C(シアン)、Y(イエロー)、BK(ブラック)と書いてあります。しかしなぜカラープリンターに入っているのは、この4色だけなのでしょうか?
答えは、カラープリンターで使用するすべての色はこれら“原色(げんしょく)”の組み合わせで表現することができるからです。原色には“光の3原色”と“色の3原色”の6原色あり、これらの色はほかの色を混ぜても作り出すことができないものです。カラープリンターでは色の3原色によって、すべての色を作り出しています。
光の3原色は、赤、緑、青の3色です。これらはそれぞれを混ぜれば混ぜるほど明るくなる特性をもっており、3色すべてを同じ割合で混ぜると白になります。光の3原色はそれぞれRed、Green、Blueの頭文字をとってRGBなどと呼ばれます。
液晶ディスプレーやデジタルカメラでカラー画面を表示する際には、このRGBによってすべての色が作り出されています。
一方、カラープリンターで使われる色の3原色はマゼンタ、シアン、イエローの3色です。光の3原色とは反対に、色を混ぜれば混ぜるほど暗くなり、この3色すべてを同じ割合で混ぜると黒になります。それぞれMagenta、Cyan、Yellowの頭文字をとってCMYなどと呼ばれています。実際のカラープリンターでは黒ではなく茶色に近い色となるため、CMYとは別に黒(BKまたはK)が用意されています。
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