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ロードマップでわかる!当世プロセッサー事情 第511回

Ice Lakeは6月から出荷開始 インテル CPUロードマップ

2019年05月20日 12時00分更新

文● 大原雄介(http://www.yusuke-ohara.com/) 編集●北村/ASCII.jp

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P127xシリーズの番号が復活
本来P1273だったプロセスがP1272に変更

 ここでおもしろいと思ったのは、P127xシリーズの番号が再び復活したことだ。インテルのPシリーズの一覧は連載239回でまとめたが、最初がウェハーのサイズでP8が8インチ、P12が12インチである。

 続く番号は連番で、ラフに言えばプロセスの世代(設計ルールごと)に2つづつ進んでいく。最初の12インチウェハーを使うP1260が130nm、90nmの最初の世代がP1262、65nmがP1264……という具合だ。

 22nmのP1271までで言えば偶数番が高速ロジック、奇数番がSoC向けの高密度/低消費電力プロセスといったすみ分けになっており、CPUは偶数番、モバイル向けのSoCやチップセット向けが奇数番を採用していた。

 ところが14nmのP1272は、当初2014年中に立ち上がる予定だったのが、これに失敗した。そして省電力向けのP1273が先に立ち上がり、BroadwellはこのP1273をベースに構築されている。

 P1273は省電力向けということで、消費電力は低いが動作周波数を上げにくいという特徴があり、実際デスクトップ向けのCore i7-5775Cは(定格3.3GHz/最大3.7GHz)は、22nmを使ったCore i7-4770K(定格3.5GHz/最大3.9GHz)より動作周波数が低くなっている(そのぶんTDPは84Wから65Wに下がっているが)。

 同じP1273を使うSkylakeでは、これをマイクロアーキテクチャー側でカバーすることで、定格4GHz/最大4.2GHzまで引っ張り上げたが、そのぶんTDPは91Wまで増加している。

 そして、これに続く14nm+と14nm++は、P1273をベースに性能を引き上げた形になっており、それもあってかこの時期インテルは意図的にP1272という表記(P12xxそのもの)を使わなくなっていたのだが、10nmが利用可能になったと判断したためか、もともとのP1272はなかったことにしてしまい、本来P1273だったプロセスがしれっとP1272になっているのがなんとも、という感じではある。

 もっとも逆に言えば、この先仮に10nmがまた難航するようなことがあると、再びこのP12xxの表記が消える可能性もないとは言えない。

 ちなみにこのP12xxではもう1つ例外がある。今年のCESでインテルはLakefieldを発表したが、ここでプロセッサー/GPU側のダイはP1274を利用して製造される。それはいいのだがチップセット側はP1222なるプロセスであると発表されている。

チップセットに加えてPMIC(Power Management IC)の機能まで統合しているところがこれまでと異なる

 問題はこのP1222なるものはなにか? という話である。22nmの省電力向けはP1271と、派生型として(すでに倒産してしまった)TabulaのFPGA向けのP1271.9があることは連載202回で説明したが、ここで利用されているのは別の、これまで22FFLと説明されてきたプロセスのようだ。

 いきなりネーミングルールをぶっちぎった名前になっているあたり、もうあまりP12xxのルールは厳密ではないのかもしれない。

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